SDGs目標1「貧困をなくそう」~フェアトレードに関するエスビー食品の取組みについて~
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SDGs目標1「貧困をなくそう」~フェアトレードに関するエスビー食品の取組みについて~

SDGs目標1「貧困をなくそう」(Goal 1:No poverty)のために私たちができることのひとつが「フェアトレード商品を購入する」ことです。5月は世界フェアトレード月間であり、各国でイベントやキャンペーンが同時開催されます。
今回は、エスビー食品の国際フェアトレード認証や有機JASといった第三者認証、また、香辛料の現地サプライヤーや産地、コミュニティとのサステナビリティへの取り組みをご紹介いたします。

日本では途上国で生産された日用品や食料品が、驚くほど安い価格で販売されていることがあります。

一方、生産国ではその安さを生み出すため、正当な対価が生産者に支払われない、生産性を上げるために必要以上の農薬が使用され環境が破壊される、生産する人の健康に害を及ぼすなどの事態が起こっています。

生産者がおいしくて品質の良いものを作り続けていくためには、生産者の労働環境や生活水準が保証され、また自然環境にもやさしい配慮がなされる持続可能な取引のサイクルを作っていくことが重要です。

フェアトレードとは直訳すると「公平・公正な貿易」。
つまり、 開発途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に購入することにより、立場の弱い開発途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指す「貿易のしくみ」をいいます。
(出典:認定NPO法人 フェアトレード・ラベル・ジャパン)
3分で分かるフェアトレード Understand Fairtrade in 3 minutes

エスビー食品は、輸入者、販売業者として国際フェアトレード認証を取得し、2009年から「ORGANIC SPICE」の一部に認証付きの商品を展開しており、主要香辛料※1について、2030年を目標として安全・人権・環境・コンプライアンスに配慮した持続可能な調達を目指しているそうです。
2020年度には、全サプライヤーに対する購買基本方針の5項目※2に基づいた書面による予備的な調査が終了。今後は調査結果に対するフォローアップ、現地監査などを通じて、サプライヤーと協働して「持続可能な調達」の取組みを進めていくとのことです。

※1.こしょう・唐辛子・マスタード・パセリ・ローレル・オレガノ・わさび
※2.1.安全・安心 2.遵法・購買倫理 3.環境・人権への配慮 4.公正な取引 5.共存共栄
1.「持続可能な原材料調達に関するコミットメント」とは?

エスビー食品ではこれまでの安全及び品質への取組みに加え、サステナビリティへの取組みの一環として、当社にとって重要な原料・資材である「香辛料」「パーム油」「紙」に関する「持続可能な原材料調達に関するコミットメント」を2019年に発表しました。 これは、私たちエスビー食品が2023年に創業100周年を迎えるにあたっての社会的役割を明確にするとともに、次の100年に向けた責任を表明したものです。

2. エスビー食品が主要香辛料のサステナブルな調達に取り組む理由とは?

なによりも大きな理由は、私たちエスビー食品は1923年に創業者である山崎峯次郎が日本で初めて香辛料からカレー粉を作り出すことによって創業して以来、およそ100年もの間、香辛料と共に歩み続け、現在では「地の恵み スパイス&ハーブ」の可能性追求をビジョンに掲げている企業だからです。

さらにエスビー食品は香辛料を開発途上地域を含めた世界各地から調達していますが、 その中には社会・環境あるいは経済的に脆弱な地域も含まれています。
国際連合が2015年に発表した「持続可能な開発目標(SDGs)」によって示された「だれひとり取り残さない(No one left behind)」の考え方からも、私たちエスビー食品の「持続可能な原材料調達に関するコミットメント」から、香辛料を対象から外すことはあり得ませんでした。

3. 持続可能性に取り組むなかで見えてきた課題とは?

環境や社会のサステナビリティに配慮した第三者認証としては「国際フェアトレード認証」や「有機JAS」などがあります。 エスビー食品では2005年から有機JAS認証を取得した「オーガニックスパイスシリーズ」を、更に同シリーズの一部商品について2009年より国際フェアトレード認証を取得しています。しかし残念ながら、 現在国際フェアトレード認証を取得している香辛料原料は一部の品目に限られ エスビー食品が扱っているすべての香辛料をカバーすることができません。

そこでエスビー食品では2019年に公表した「持続可能な原材料調達に関するコミットメント」を推進するにあたり、国際フェアトレード認証や有機JASといった第三者認証と併せて、私たち自身で香辛料の現地サプライヤーや産地、コミュニティと共にサステナビリティに取り組んでいこうとしてます。

まず最初のステップとして、コミットメントの対象となる主要香辛料のすべての現地サプライヤーにサステナビリティへの取組みの聞き取りを行いました。そこで分かったことは、私たちの予想以上に現地サプライヤーが産地の農家やコミュニティとしっかりと向き合い、共存共栄の取組を行っていることでした。これは私たちにとって嬉しい驚きでした。今後は私たちエスビー食品自身も、現地サプライヤーやコミュニティと共に学びながら、協働して取組みをさらに深めていきたいと考えています。

2020年に発生し、現在でも全世界に大きな被害を与えているCOVID-19パンデミックは人と人、社会と社会との繋がりを改めて見つめなおす機会だったと考えています。その中で、パンデミックによって経済的な打撃を受けた、私たちにフェアトレード香辛料を供給していただいている産地に対して、フェアトレードの仕組みを通じてマスクなどの個人保護具や食糧、医薬品等が支援されたという話を聞いた時にはとても嬉しく、サステナビリティへの取組みを続けていた価値があったのだなと改めて感じています。
(原文ママ)
5月1~31日まで、 日本全国でフェアトレードに関する「商品購入」「SNS投稿」「イベント参加」などで合計100万アクションを目指す「ミリオンアクションキャンペーン」(主催:認定NPO法人フェアトレード・ラベル・ジャパン)が実施されます。
フェアトレードを知り楽しめるよう、エスビー食品はもちろん、日本全国でお店やレストラン、企業、学校、自治体等も参加して、様々なイベントや仕掛けを用意しています。
エスビー食品株式会社 公式サイト
https://www.sbfoods.co.jp/

外務省 SDGsサイト「JAPAN SDGs Action Platform」における「持続可能な開発のための2030アジェンダ 仮訳(PDF)」によると、以下のように記載があります。

目標 1. あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる
1.1 2030年までに、現在 1 日 1.25 ドル未満で生活する人々と定義されている極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる。
1.2 2030年までに、各国定義によるあらゆる次元の貧困状態にある、 すべての年齢の男性、女性、子どもの割合を半減させる。
1.3 各国において最低限の基準を含む適切な社会保護制度及び対策を実施し、2030年までに貧困層及び脆弱層に対し十分な保護を達成する。
1.4 2030年までに、貧困層及び脆弱層をはじめ、すべての男性及び女性が、基礎的サービスへのアクセス、土地及びその他の形態の財産に対する所有権と管理権限、相続財産、天然資源、適切な新技術、マイクロファイナンスを含む金融サービスに加え、経済的資源についても平等な権利を持つことができるように確保する。
1.5 2030年までに、貧困層や脆弱な状況にある人々の強靱性(レジリエンス)を構築し、気候変動に関連する極端な気象現象やその他の経済、社会、環境的ショックや災害に暴露や脆弱性を軽減する。
1.a あらゆる次元での貧困を終わらせるための計画や政策を実施するべく、後発開発途上国をはじめとする開発途上国に対して適切かつ予測可能な手段を講じるため、開発協力の強化などを通じて、さまざまな供給源からの相当量の資源の動員を確保する。


世界では、10人に1人、7億人を超える人々が貧困の中で暮らしていると言われいます。
貧困状態の家庭で育つ子どもたちは十分な教育を受けられず、また、技能取得や職業訓練の機会も得られないため、親から子へ貧しさが受け継がれてしまう、いわゆる「貧困の連鎖」が起きてしまいます。

目標1「貧困をなくそう」私たちができることのひとつが「フェアトレード商品を購入する」ことです。
5月は世界フェアトレード月間であり、WFTO(世界フェアトレード連盟:World Fair Trade Organization)に加盟する世界76ヵ国、326団体(2018年5月現在)のフェアトレード組織と生産者組織を中心に、各国でイベントやキャンペーンが同時開催されます。

今回は、エスビー食品の国際フェアトレード認証や有機JASといった第三者認証、また、香辛料の現地サプライヤーや産地、コミュニティとのサステナビリティへの取り組みをご紹介いたします。