残食率1%にまで改善
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学校給食の葉隠勇進が魚料理の調理を工夫し残食率1%にまで改善

食品ロス削減をはじめとしたSDGsへ積極的に取り組む葉隠勇進株式会社は、受託先である目黒区の中学校で魚料理の食べ残しを減らすための取り組みをしています。その結果、魚の残食率を3%から1%にまで改善させることに成功し、生徒からも「魚の味が濃く感じられてご飯が進んだ」など好評を得ることができました。

目次
■ 学校給食における、食育の生きた教材としての「魚料理」 >>
■ 魚料理の残食率を改善するために葉隠勇進が提案 >>
■ 目黒区の中学校給食現場 責任者 森田さんのコメント >>
■ 葉隠勇進株式会社について >>
■ SDGsの取り組み >>
■ 『現場力』向上の取り組み >>
■ 葉隠勇進株式会社 >>
■ ソシオークグループ >>
■ SDGs目標12「つくる責任 つかう責任」とは? >>


食品ロス削減をはじめとしたSDGsへ積極的に取り組む葉隠勇進株式会社(東京都港区、社長執行役員:鈴木 紀之)は、受託先である目黒区の中学校で、「魚料理の食べ残しを減らすための改善」に取り組みました。現在、日本における魚介類の1人あたりの消費量は、減少傾向にあります。この食環境の変化により、子どもの魚食離れも同時に進行していると考えられています。今回の取り組みの結果、魚の残食率を3%から1%にまで改善させることに成功し、生徒からも「魚の味が濃く感じられてご飯が進んだ」など好評を得ることができました。

学校給食の魚料理は、生徒に良質なたんばく質やEPA、DHA、ミネラルなど豊富な栄養素を効果的に摂取してもらうために、皮も含めて完食できるような調理が考えられています。
また、お箸の使い方や盛付け方などの食文化を伝える点でも「食育の生きた教材」として欠かせない食材で、成長期の子どもたちに慣れ親しんでほしい献立です。しかし、葉隠勇進が給食提供を受託する目黒区の中学校では平均3%の魚の残食がありました。

日本では現在、魚介類の1人当たりの消費量が2019年度に23.8kgとなり、2001年度の40.2kgをピークとして減少傾向にあります。※1
食に対する簡便化・外部化志向の影響に伴い、家庭においても魚食の体験などの機会を十分に確保することが難しくなってきているという報告もあり、学校給食を通じ、子どもの頃から水産物に親しむ機会をつくることの重要性が高まっています。※2

※1※2 出典:水産庁「令和2年度水産白書」
https://www.jfa.maff.go.jp/j/kikaku/wpaper/r02_h/trend/1/t1_1_2.html

魚の食べ残しの中には、皮に身がついた状態のものも目立ちました。「身は残さず食べてほしい」という想いから、葉隠勇進の調理員はこの課題を改善する取り組みを行いました。取り組んだ献立は「さわらの香味焼き」です。

・改善ポイント1「皮を下にして焼く」
通常の調理は、さわらに下味をつけて皮を上にして焼き、最後にタレをかけます。身を残さずおいしく味わってほしいと考えたところ、皮を下にして焼いたうえで身にふんだんにタレをかけると味が浸透して食べやすくなると考えました。

・改善ポイント2「皮を下にしたまま盛り付ける」
日本料理の場合、魚の切り身は皮を上にして盛り付けます。しかし、はがされた皮に身がついていたことを考えると、生徒にとっては食べにくいのではないかと思案しました。実際に、さわらの皮は薄く、はがすと多くの身がついてきてしまいます。そこで、皮を下にしたまま盛り付けることにしました。

これらの改善に取り組んだところ、残食率を3%から1%にまで減らすことができました。皮を下にして調理・提供したことで、身の部分が食べやすくなったことが大きな効果に繋がりました。
生徒からは、「魚の味が濃く感じられてご飯が進んだ」「魚が食べやすくなった」「皮が下だと身をほぐしやすい」という感想がありました。

「限られた食材量の中で最大限に栄養を摂取してほしいと常に考えています。魚ひとつの話ですが、ひと手間加えることで生徒からも教職員からも感動していただくことができました。なにより残食が減ったことが嬉しいです。今後も現場一丸となって意見を出し合ってまいりたいです」

葉隠勇進株式会社は、学校給食業務を受託運営しております。
子どもたちの「おいしい」の声が聞きたいから、安全で真心のこもった「食育給食」を提供します。私たちの食育は、成長期を支える給食を残さず食べてもらえるように、心を込めてひと手間もふた手間もかけることです。子どもたちの成長に欠かせない「安全でおいしい給食」に加えて「思い出に残る給食」の提供を目指します。

ソシオークグループは「社会と共生する樹でありたい」を合言葉に、CSVの推進を重要な経営課題と位置づけ、新たな社会的価値創造に挑戦する企業グループとしていきいきとした未来に向けて貢献してまいります。
グループを取り巻く社会課題から「雇用」「地域・社会」「環境」をSDGsの重点課題として選定しました。
葉隠勇進では「2.飢餓をゼロに」「3.すべての人に健康と福祉を」「8.働きがいも経済成長も」「12.つくる責任つかう責任」を重点課題として捉え、取り組んでおります。

【主な取り組み】
2.こども食堂の開催
3.学校給食事業における肥満や生活習慣病にならない健康な食事の提供
8.学校給食事業における女性・高齢者・障がい者等の雇用及び働き甲斐のある職場の提供
12.学校給食事業における給食残菜削減の取り組み

ソシオークグループは、現場の社員が自ら課題や改善点を見つけ、知恵と工夫によりチームで改善を重ねていく『現場力』の取り組みを推進しております。現場の中にある課題と改善点の取り組みをまとめた報告書の提出枚数は、取り組みを強化したことで年々向上し、2020年は年間で4,000件を超える提出がありました。現場力は自ら考え、自ら実践するナレッジワーカーとしての誇りの醸成や、個人の持続的成長につながるとともに、年に2回、特に素晴らしい取り組みを表彰することで、各現場の意欲向上や組織の活性化にもつながっております。

~てしおにかけた究食へ~
社長執行役員:鈴木 紀之
所在地:〒108-0014 東京都港区芝4-13-3PMO田町Ⅱ10F
設立:1963年2月
事業内容:学校給食業務
URL:https://www.hagakure.co.jp/

商号:ソシオークホールディングス株式会社
~社会と共生する樹でありたい~
代表者:大隈 太嘉志
所在地:〒108-0014 東京都港区芝4-13-3PMO田町Ⅱ10F
設立:2013年10月
事業内容:フードサービス・子育て支援サービス・自動車運行管理サービス・パブリック事業を営む事業会社を擁する持株会社
グループ会社:葉隠勇進株式会社/ソシオフードサービス株式会社/株式会社クックサービス/株式会社明日葉/株式会社あしたばマインド/株式会社みつばコミュニティ/株式会社てしお夢ふぁーむ/株式会社リーフサポート
URL:https://www.socioak.com

SDGs目標12「つくる責任つかう責任」とありますが、そもそも具体的にはどういったことなのでしょうか?

国際連合広報センターサイト「JAPAN SDGs Action Platform」における「持続可能な開発のための2030アジェンダ 仮訳(PDF)」によると、以下のように記載があります。

目標12. 持続可能な生産消費形態を確保する
12.1 開発途上国の開発状況や能力を勘案しつつ、持続可能な消費と生産に関する10年計画枠組み(10YFP)を実施し、先進国主導の下、全ての国々が対策を講じる。
12.2 2030年までに天然資源の持続可能な管理及び効率的な利用を達成する。
12.3 2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食品ロスを減少させる。
12.4 2020年までに、合意された国際的な枠組みに従い、製品ライフサイクルを通じ、環境上適正な化学物質や全ての廃棄物の管理を実現し、人の健康や環境への悪影響を最小化するため、化学物質や廃棄物の大気、水、土壌への放出を大幅に削減する。
12.5 2030年までに、廃棄物の発生防止、削減、再生利用及び再利用により、廃棄物の発生を大幅に削減する。
12.6 特に大企業や多国籍企業などの企業に対し、持続可能な取り組みを導入し、持続可能性に関する情報を定期報告に盛り込むよう奨励する。
12.7 国内の政策や優先事項に従って持続可能な公共調達の慣行を促進する。
12.8 2030年までに、人々があらゆる場所において、持続可能な開発及び自然と調和したライフ スタイルに関する情報と意識を持つようにする。
12.a 開発途上国に対し、より持続可能な消費・生産形態の促進のための科学的・技術的能力の強化を支援する。
12.b 雇用創出、地方の文化振興・産品販促につながる持続可能な観光業に対して持続可能な開発がもたらす影響を測定する手法を開発・導入する。
12.c 開発途上国の特別なニーズや状況を十分考慮し、貧困層やコミュニティを保護する形で開発に関する悪影響を最小限に留めつつ、税制改正や、有害な補助金が存在する場合はその環境 への影響を考慮してその段階的廃止などを通じ、各国の状況に応じて、市場のひずみを除去することで、浪費的な消費を奨励する化石燃料に対する非効率な補助金を合理化する。