世界平和経済人会議ひろしま東京セッションインタビューvol.2~シブサワ・アンド・カンパニー株式会社代表取締役・渋澤健さん、「普段オフになっているスイッチをオンに」~
PEACE

世界平和経済人会議ひろしま東京セッションインタビューvol.2~シブサワ・アンド・カンパニー株式会社代表取締役・渋澤健さん、「普段オフになっているスイッチをオンに」~

2021年世界平和経済人会議東京セッションのインタビューの第2弾は、Great Resetセッションにご登壇された、シブサワ・アンド・カンパニー株式会社代表取締役兼コモンズ投信株式会社取締役会長の渋澤健さんにお話をお伺いしました。

「世界平和経済人会議ひろしま東京セッション」はより多くの皆さまに知っていただけるよう、イベントに関わる方へのインタビューを開始いたしました。 第二弾はGreat Resetセッションにご登壇された渋澤健さんよりお話をお伺いしました。

渋澤 健(Ken SHIBUSAWA)
 シブサワ・アンド・カンパニー株式会社代表取締役
 コモンズ投信株式会社取締役会長

<経歴>
複数の外資系金融機関およびヘッジファンドでマーケット業務に携わり、2001年にシブサワ・アンド・カンパニー株式会社を創業し代表取締役に就任。07年にコモンズ株式会社(現コモンズ投信株式会社)を創業、08年に会長に就任。経済同友会幹事、社会保障委員会およびアフリカ開発支援戦略PT副委員長、UNDP(国連開発計画)SDG Impact Steering Group委員、東京大学総長室アドバイザー、成蹊大学客員教授、等。著書に「渋沢栄一100の訓言」、「SDGs投資」、「渋沢栄一の折れない心をつくる33の教え」、「超約版 論語と算盤」、他
世界平和経済人会議ひろしまは、「広島から受け継がれる平和を経済人の視点で考える」というフレームワークが素敵だと感じました。

実は私自身の原点は9.11にあります。アメリカ出張中に同時多発テロが発生し、1週間シアトルに足止めすることになりました。飛行機が飛んでいない真っ青な青空を見て「まずいな」と感じました。人もモノもまったく動いていない。平和は空気のように「存在するのが当たり前」だと思われがちですが、一瞬で失われることもあるのです。平和は一人ひとりの行動によって維持できるものだと改めて感じました。

「平和」と聞くと、政府が維持してくれるものと思われる方もいますが、そうではありません。平和じゃないと、経済も回らない。だからこそ経済人も「どのようにして平和を守ることができるか」を考えなければならないと感じています。
※「グレート・リセット」とは、私たちの経済・社会システムを一度リセットし、新しく時代に適合したシステムの構築を目指すという概念です。

「グレート・リセット」はダボス会議から出てきたワードです。私は10年ほど前から、2020年は日本社会にとってとても重要な時代の節目になると考えていました。これまでの日本の歴史上でも「グレート・リセット」は起きています。例えば、明治維新ではそれまでの江戸時代が「破壊」、つまり「リセット」され、西洋社会に追いつく過程で日本社会に「繁栄」がもたらされました。また1945年における太平洋戦争終戦も日本にとっての「リセット」となり、その後日本は一気に成長しました。

「リセット」、つまり「破壊」が起きることによって、その後社会に「繁栄」がもたらされているのです。このように「破壊」と「繁栄」のリズム感は繰り返されると考えています。

10年ほど前から次にどんな「リセット」が訪れるのかと考えていましたが、それが新型コロナウイルスによるパンデミックでした。またこの「リセット」に至るまで、人口ピラミッドがピラミッドでなくなったように、日本の人口動態には大きく変化がありました。

これからの未来は「見える未来」だけでなく「見えない未来」、つまり不確実性のある未来も待っています。このような未来で成功するのはミレニアル世代、Z世代だと考えています。彼らの強みは「デジタル・ネイティブ」だということです。インターネットには国境がなく、世界と簡単につながることができます。

人口動態が変化し、ミレニアル世代、Z世代は日本の中では人口的「マイノリティ」である存在ですが、世界を見るとこの世代はマイノリティでないことが分かると思います。特に新興国・途上国を見ると若者の数は圧倒的に多いです。

新興国・途上国には様々な社会課題がありますが、それらを解決する術は日本のあらゆる企業が持っており、それらを上手く組み合わせることによって持続可能な社会を実現することができると考えています。
まずは「政府が作る平和にフリーライド」するのではなく、「自分たちは平和構築のプレーヤーである」という認識を持つ必要があります。

その上で社会に価値を提供することが重要です。アフリカに訪れた際、街に若い男性たちが仕事もなくうろうろしていた光景がありました。このような社会のままでは繁栄をもたらすことは不可能です。若者たちが求めていることは「仕事に就く」ことですが、IT技術などが発達する中で、昔のような雇用形態では通用しないと考えています。新しい雇用形態を作るということが今後経済人に必要となってくるでしょう。
人間は同じ環境の中にいると、同一の「スイッチ」をオン・オフすることしかできません。特にコロナ禍に入って同じルーティーンを繰り返すことが多くなり、新しいスイッチを押すことができなくなっています。

経済人が東京セッションに参加して平和について考える今回のイベントは、普段の生活では身を置くことができない環境だと思います。そのような環境の中で、みなさんのオフになっているスイッチがオンになれば嬉しいです。

2021世界平和経済人会議ひろしま東京セッション
公式イベントサイトはこちら

最新情報は、FacebookやTwitterでも発信中です。

Facebook「世界平和経済人会議ひろしま東京セッション」
https://www.facebook.com/sdgsforpeace/

Twitter「国際平和拠点ひろしま+東京コミュニティ」
https://twitter.com/sdgsforpeace