【イベントレポート | パーパス経営の権威、名和 高志 氏】 社員の生産性と創造性に火をつけるパーパス経営とは
コネクティ主催オンラインイベント「Purpose World 2023 〜サステナビリティとパーパスブランディング。持続可能なWebコミュニケーション~」のイベントレポート。パーパス経営の権威である名和 高司 氏の講演と当社代表取締役社長の服部とのクロストークをお届けします。
2023年9月、パーパス経営の権威である一橋大学大学院客員教授の名和 高司 氏を招き、オンラインイベント「Purpose World 2023 〜サステナビリティとパーパスブランディング。持続可能なWebコミュニケーション~」を開催。パーパスを実践するためのイノベーションを生む次世代経営モデルについてお話いただきました。 本記事では、名和 高司 氏の講演と当社代表取締役社長の服部とのクロストークをお届けします。
アーカイブ動画では、名和 氏の講演のほか、当社取締役で「パーパス・マネジメント」著者の丹羽 真理より、企業・組織でパーパスを策定する際のポイントやステップについて、当社代表取締役社長の服部よりパーパスが社内で共鳴するためのコミュニケーション戦略について解説しています。
「Purpose World 2023」
〜サステナビリティとパーパスブランディング。持続可能なWebコミュニケーション~
「Purpose World 2022」【パーパス・マネジメント著者が紐解く】
パーパス起点の一貫したコミュニケーション戦略を実践し、効果を生み出すには
今、社会にとって当たり前でなくても、会社独自で大切にし
コンプライアンスリスクにおいても効果があり、社員がパーパスを自分ごと化し、誇りに思うことで、誰が見ていなくても正しいことしかしないカルチャーを作ることができます。東京ディズニーリゾート®では、「The Five Keys~5つの鍵~」という行動規準がキャストに根付いています。
また、パーパスを実践すると、ブランド資産、知恵と知識、ネットワーク価値、人財資産といった無形資産を増やすことができます。そして、この無形資産を将来のPLに転換していくことが大切です。
「パーパス経営」、ぜひみなさんも実践してみてください。
名和氏:3年前は、パーパス策定がほとんどでしたが、現在は策定後の実践・浸透に関するご相談が8割を占めています。
服部:やはり、ここ数年で変わってきていますね。そういったご相談には、どのようなアドバイスをされますか?
名和氏:まず初めに、パーパスを実践・浸透させるには、丹念に根気強く継続する必要があるため、時間がかかることをお伝えしています。私が社外取締役を務めている味の素では3年かかりました。
服部:味の素様で3年ですか!3年でどのような変化がありましたか?
名和氏:味の素は本当に変わりました。エンゲージメント指数とブランド指数は右肩上がり、株価(企業価値)にいたっては3.5倍になりました。
服部:すばらしいですね。パーパスのKPIとしても、そういった指数を用いることが多いのでしょうか?
名和氏:はい。働き甲斐に通ずるエンゲージメント指数、ブランド指数、株価をKPIに設定することを勧めています。
服部:パーパス策定後、なかなか実践できないというケースもあるように思いますが、なにか具体的な事例はありますか?
名和氏:味の素では毎年パーパスアワードを開催しています。当初は、少し堅苦しい感じだったのですが、「身近にある小さなことでもパーパスとしてよい」と敷居を下げたことで、世界中の味の素グループからたくさんの応募が届き、活気づくようになりました。それぞれの活動を認証する仕掛けを作ることで、パーパスを持続的に浸透させることができています。
服部:他の企業でも実践しやすい、良いヒントになりそうですね。研修だけですと、その場限りになりやすいですが、アワードのような形式は、自発的に自分ごと化でき、エンゲージメント指数も上がりそうです。
本日は誠にありがとうございました。
一橋大学大学院 国際企業戦略研究科 客員教授 京都先端科学大学教授 名和 高司 氏
東京大学法学部卒、ハーバード・ビジネス・スクール修士(ベーカースカラー授与)。 三菱商事の機械部門(東京、ニューヨーク)に約10年間勤務。 2010年まで、マッキンゼーのディレクターとして、約20年間、コンサルティングに従事。 自動車・製造業分野におけるアジア地域ヘッド、ハイテク・通信分野における日本支社ヘッドを歴任。 日本、アジア、アメリカなどを舞台に、多様な業界において、次世代成長戦略、全社構造改革などのプロジェクトに幅広く従事。2010年6月より、一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授に就任、現在同校客員教授。2021年より、京都先端科学大学教授。 株式会社デンソー(2019年まで)、株式会社ファースト・リテイリング(2022年まで)、味の素株式会社(2023年まで)、NECキャピタルソリューションズ株式会社(いずれも現在も)の社外取締役、朝日新聞社の社外監査役、 インターブランド・ジャパン、アクセンチュアなど複数社のシニア・アドバイザー(いずれも現在も)。『パーパス経営 - 30年先の視点から現在を捉える』や『CSV経営戦略』など著書・寄稿多数。