安藤ハザマ、遠隔地の営農型太陽光発電所からグリーン電力を自己託送するシステムを開発
安藤ハザマは、脱炭素・循環型社会の実現に向けた技術開発を推進しています。その一環として、遠隔地の太陽光発電設備からグリーン電力を自己託送するシステムを開発しました。
安藤ハザマ(本社:東京都港区、社長:国谷 一彦)は、脱炭素・循環型社会の実現に向けた技術開発を推進しています。その一環として、遠隔地の太陽光発電設備からグリーン電力を自己託送するシステム(太陽光自己託送システム)を開発しました。そして、静岡県牧之原市に建設した営農にも適した太陽光発電所に本システムを適用し、2024年4月から当社静岡支店ビルへ電力供給を開始しました。
環境問題の取り組みとして、敷地内(オンサイト)に太陽光発電設備を設置して自家消費し、エネルギーの脱炭素化を進める企業が増えていますが、敷地内の設置スペースや、屋根荷重などの制約により、敷地外(オフサイト)での再エネ電力調達のニーズが高まっています。一方で、オフサイトでの大規模開発は、「景観の悪化」「森林の吸収作用をなくす」「森林伐採による土砂災害の危惧」といった問題点が取り沙汰されており、近年、用地の確保が難しくなってきています。
そこで、オフサイトでの用地確保の問題解決として、農地や耕作放棄地にも活用可能な高角度型太陽光発電設備の適用・開発と、安藤ハザマ次世代エネルギープロジェクト(注1)での自己託送ノウハウを基に、太陽光発電電力の自己託送実務を自動化する「太陽光自己託送システム」を開発しました。
クラウド上に構築が可能で、発電側と需要側のデータを遠隔計測し、需要予測、発電予測、託送計画、運転制御等、必要な機能を自動化しています。また牧之原遊休地に建設した営農にも適した太陽光発電所は以下の特長があります。(写真1)
(1)敷地の形状を問わない高い発電効率を実現
両面パネルで裏面からも受光、反射シートにより発電効率を5~10%改善
(2)安全で安定したサイクルユース鉛蓄電池
蓄電池の状態を監視してリフレッシュ運転が可能、遠隔制御が可能で出力抑制(注2)対応
(3)営農に適した高角度60°太陽光架台
東西方向に設置し朝夕にピークシフト(注3)、保守性に優れる、基礎は軟弱地盤にも対応したピン工法
(4)パネル間でのプランター植物の栽培
有効スペースで国産需要の高いヒサカキ、付加価値の高い各種ハーブ、地元野菜の玉ねぎを栽培
再エネ自己託送で得られたデータを基に、運用課題の検証やシステム制御の精度改善を行っていきます。また当発電所は、技術開発の実証フィールドとしても整備しており、発電データの取得、新型鉛蓄電池の実証、営農データの取得、実証も計画しています。
今後さらに、技術や運用ノウハウを積み重ねて、同社の取引先が設置する分散電源のニーズに応えるために開発を進めていくとともに、社会課題の解決と脱炭素・自然共生社会の実現に向けて取り組んでいます。
■事業の概要
発電所名:株式会社安藤・間 牧之原太陽光発電所
所在地:静岡県牧之原市
事業概要:営農型太陽光発電および遠隔地から再生可能エネルギーを直接調達する自己託送の運用
年間発電量:約4.1万kWh
事業開始日:2024年4月1日
国際連合広報センターサイト「JAPAN SDGs Action Platform」における「持続可能な開発のための2030アジェンダ 仮訳(PDF)」によると、以下のように記載があります。
目標 7. すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する
7.1 2030 年までに、安価かつ信頼できる現代的エネルギーサービスへの普遍的アクセスを確保する。 7.2 2030 年までに、世界のエネルギーミックスにおける再生可能エネルギーの割合を大幅に拡大させる。 7.3 2030 年までに、世界全体のエネルギー効率の改善率を倍増させる。 7.a 2030 年までに、再生可能エネルギー、エネルギー効率及び先進的かつ環境負荷の低い化石燃料技術などのクリーンエネルギーの研究及び技術へのアクセスを促進するための国際協力を強化し、エネルギー関連インフラとクリーンエネルギー技術への投資を促進する。 7.b 2030 年までに、各々の支援プログラムに沿って開発途上国、特に後発開発途上国及び小島嶼開発途上国、内陸開発途上国のすべての人々に現代的で持続可能なエネルギーサービスを供給できるよう、インフラ拡大と技術向上を行う。