バングラデシュ首相立ち会いのもと、日本発のソーシャルビジネスを発表ーWickとグラミングループ、合弁会社「Grameen Wick」の設立を正式決定、ノーベル平和賞受賞者ユヌス博士も参画
株式会社Wickとグラミングループは、企業の広告と、生活に欠かせないサービスや生活の質を向上する機会へ接続するデジタルプラットフォームをバングラデシュで開発する合弁会社「Grameen Wick」の設立を決定しました。
株式会社Wickとグラミングループは、企業の広告を生活に欠かせないサービスや生活の質向上へ接続するデジタルプラットフォームをバングラデシュで開発する合弁会社「Grameen Wick」の設立を正式決定しました。
本件は2026年10月28日に東京で開催された「日本・バングラデシュ経済フォーラム」(主催:独立行政法人日本貿易振興機構(ジェトロ)、日本・バングラデシュ経済委員会/後援:駐日バングラデシュ大使館)において、バングラデシュ人民共和国のタリク・ラーマン首相(Prime Minister Tarique Rahman)立ち会いのもと発表されました。
2026年6月に同社とグラミングループ間で締結された基本合意書(MoU)を経て合弁会社の取締役体制が決定。アドバイザリーボードには、ノーベル平和賞受賞者のムハマド・ユヌス博士と、元吉本興業会長の大﨑洋氏が就任しています。
取締役体制の確定を受け、2027年春頃の事業開始に向けてサービス開発および現地での事業推進体制の構築を本格化させています。
Grameen Wickは、デジタルテクノロジーと「ポジティブインパクト広告(positive impact advertisement)」を活用し、企業の広告活動を人々の生活の質向上や社会課題の解決へつなげるソーシャルビジネスを展開します。
現在、バングラデシュ国内の大手企業や政府機関、教育・医療等の関連機関との協働に向けた協議を進めており、広範なパートナーシップを通じた事業推進を目指しています。
「日本・バングラデシュ経済フォーラム」は、タリク・ラーマン首相(Prime Minister Tarique Rahman)の就任後初となる訪日(10月26日〜29日)に合わせて開催され、両国の政府関係者および企業関係者が一堂に会しました。
Wickとグラミングループは、同首相の立ち会いのもとGrameen Wickの設立を発表しました。
人口約1億7,000万人(世界第8位)を擁し若年層の割合が高いバングラデシュでは、2026年2月の総選挙を経てタリク・ラーマン首相(Prime Minister Tarique Rahman)が率いる新政権が発足しました。
新政権は投資誘致と雇用創出を最重要課題に掲げ、若年層のスキル取得やAI活用、起業支援に加え、医療アクセスの向上や女性の教育・就労支援に関する施策を推進しています。
日本との間では、2026年2月にバングラデシュとして初となる経済連携協定(EPA)へ署名し、今回の首脳会談においても両国間の経済連携の更なる強化が確認されました。これにより両国の協力関係は、従来の経済援助から民間投資を中心とした枠組みへ拡大しつつあります。
Grameen Wickは、こうした両国の協力関係の深化を背景に、日本企業とグラミングループが共同で設立する民間主導のソーシャルビジネスとして同フォーラム内で紹介されました。
Grameen Wickは、企業の広告活動を社会的価値の創出へ接続する新たなデジタルプラットフォームを提供します。
独自のスマートフォンアプリケーションを通じて「ポジティブインパクト広告」を配信し、企業の広告費の一部を利用者へポイントとして還元。利用者は広告視聴により獲得したポイントを活用することで、教育や医療、生活必需品をはじめとする日常生活に必要な商品・サービスへのアクセス機会を拡大できます。
さらに同アプリを通じて職業訓練や就労機会に関する情報を提供し、求職者と送り出し機関、関連コミュニティ等を連携させることで、国内外における就労および経済的自立を支援する機能の導入・展開を計画しています。
バングラデシュ国内ではスマートフォンの普及が進展しており、2026年の政府統計によると約75%の世帯がスマートフォンを保有しています。
Grameen Wickは、このデジタルインフラを活用し、人々の生活に必要なサービスと新たな経済的・社会的機会を結びつけるプラットフォームの構築を進めていく方針です。
Grameen Wickのポジティブインパクト広告は、企業のマーケティング活動と社会課題の解決を結びつける、新たな広告モデルです。
広告主企業は、デジタルプラットフォームを通じて消費者との接点を創出すると同時に、広告費の一部を利用者の生活に還元することで、企業活動を通じた社会的価値の創出に参加することができます。
また、広告の視聴や利用者への還元に加え、教育・医療等のサービスへのアクセス改善など、社会的成果の可視化にも取り組みます。
これにより、広告主にとってのマーケティング上の価値と、社会に対するポジティブインパクトの両立を目指します。
■ 優先して取り組む5つの領域
Grameen Wickは、新政権の重点政策および国際機関が重視する開発課題と歩調を合わせ、以下の5分野を優先領域として位置付けます。
① 若者の雇用・スキル形成と起業家育成
デジタル・AIリテラシー教育、職業訓練、起業家育成プログラムへのアクセスを支援するとともに、国内外の就労機会との接続を通じて若者の経済的自立と新規雇用の創出を促進します。
② 女性の経済参加とエンパワーメント
女性における教育・職業訓練・起業機会へのアクセスを拡大し、デジタルスキルの習得や経済活動への参加を支援します。
③ 貧困の削減と生活基盤の向上
ポジティブインパクト広告を通じた経済的還元により、生活必需品や教育・医療等のサービスへのアクセスを広げ、家計負担の軽減と生活の質の向上を目指します。
④ 保健医療へのアクセス改善
医療・健康関連サービスや健康情報へのアクセスを支援し、地域や所得水準に伴う健康格差の縮小に貢献します。
⑤ 気候変動・災害への対応
政府機関等が発信する災害・緊急情報とデジタルプラットフォームとの連携を検討し、利用者への迅速な情報提供と防災意識の向上を通じて、地域社会における災害対応力の強化を目指します。
これらの領域において、現地の社会的ニーズとパートナー企業・機関の専門性を組み合わせ、サービスを段階的に展開していく方針です。
Grameen Wickは、グラミングループが長年にわたり培ってきた社会課題解決の知見や現地ネットワークと、Wickのデジタルプラットフォーム技術を組み合わせ、事業の社会的インパクトと持続可能性の両立を目指します。
現在、バングラデシュ国内の大手企業や政府機関、教育・医療分野の事業者などとの協働に向けた協議を進めています。
こうした連携を通じて、生活に必要なサービスの提供、就労支援、デジタル教育、災害情報へのアクセスなど、現地のニーズに即したサービスを段階的に展開し、持続可能な事業基盤を構築してまいります。
Grameen Wickは、ムハマド・ユヌス博士が提唱するソーシャルビジネスの理念を踏まえ、社会課題の解決を事業の中心に据えています。
従来の寄付や援助のみに依存する手法ではなく、企業の広告活動を活用した継続的な経済循環を創出することで、社会的インパクトを持続的に生み出すことを目指します。
また、今後の事業展開にあたっては、利用者への還元、教育・医療等のサービスへのアクセス、就労機会の拡大など、事業活動によって生み出される社会的成果の把握と評価にも取り組んでいきます。
広告主企業、利用者、サービス提供事業者など、多様な主体が参画するプラットフォームを通じて、事業の成長と社会的価値の創出が相互に支え合う仕組みの構築を推進していきます。
株式会社Wick 代表取締役CEO 中道 慶謙
「タリク・ラーマン首相(Prime Minister Tarique Rahman)にお立ち会いいただき、日本とバングラデシュの経済的な連携を象徴する『日本・バングラデシュ経済フォーラム』という意義深い場において、グラミングループの皆さまとともに『Grameen Wick』の設立を発表できましたことを、大変光栄に思います。
現在、世界では年間1兆3,000億ドルを超える資金が広告に投じられています。もし、そのわずか1%、約130億ドル(約2兆円)を人々の暮らしに還元することができたら、毎日の経済活動そのものが、教育や医療、仕事へのアクセスを広げ、人々の暮らしを豊かにする新たな仕組みになり得ます。
これまでデジタルプラットフォームは、多くの人に新しい仕事や学び、情報、多様な体験の機会をもたらしてきました。しかし、テクノロジーがこれほどまでに進歩した今だからこそ、その恩恵のあり方を改めて考えるべきだと思っています。特別なスキルや恵まれた環境を持つ人だけが利益を享受するのではなく、日々を懸命に生きるすべての人が、その恩恵を少しずつでも受け取れる社会であってほしい。
その実現のために着目したのが、企業が投じ、世界中を流れている広告資金。その流れをほんの少し変えることで、これまで届かなかった人々にも、新たな機会や選択肢を届けることができ、生まれた環境が、その人の未来を決めない世界を実現できると、私は信じています。
バングラデシュから始まるこの挑戦は、世界の膨大な広告費を、一人ひとりの暮らしを支える力に変えていく第一歩です。この新たな一歩を、ユヌス博士、グラミングループの皆さま、そして私たちの理念に共感し、ともに未来を築こうとしてくださるすべての方々と踏み出せることを、心からうれしく思うとともに、大きな期待を抱いています。」
アドバイザリーボード
2006年ノーベル平和賞受賞/グラミン銀行創設者 ムハマド・ユヌス博士
「ソーシャルビジネスとは、ビジネスを通じて問題を解決することです。Grameen Wickは、テクノロジーを活用して社会課題に取り組み、人々の暮らしをより良くすることで、この考え方をデジタルの世界へと広げます。社会的インパクトを慈善活動として捉えるのではなく、社会のニーズに応えること自体を事業の目的とする、持続可能なビジネスモデルを築きたいと考えています。Grameen Wickが、デジタルテクノロジーによって経済的な機会を生み出し、生活に欠かせないサービスへのアクセスを広げ、ビジネスをバングラデシュにおける前向きな変化の原動力にできることを示してくれると期待しています。」
元吉本興業会長/2025年大阪・関西万博 催事検討会議 元共同座長/一般社団法人mother ha.ha 代表理事/ユヌス・マザーソーシャルアクション 代表理事 大﨑 洋氏
「長年、地方や若い人たちの現場に身を置くなかで、社会の課題は誰かに任せるものではなく、みんなで向き合っていくものだと感じてきました。ユヌス先生とお話をさせていただくたびに、“困っている人のために、ビジネスで何ができるか”という問いの大切さに、あらためて気づかされます。
Grameen Wickは、毎日目にする広告を、人々の暮らしを支え、若い人たちが自分の居場所や仕事を見つけるきっかけに変えようという取り組みです。中道さんたち若い世代が、本気で課題に向き合い、行動に移している。大人の役割は、その挑戦を後ろからそっと支えることだと思っています。
バングラデシュと日本をつなぐこの挑戦が、お祭りのようにたくさんの人を巻き込みながら、世界へ広がっていくことを楽しみにしています。」
同社とGrameen Communicationsは、合弁会社の正式な設立手続きを進めるとともに、2027年春頃の事業開始に向けてサービス開発、事業体制の整備、現地パートナーとの連携を加速していく方針です。
Grameen Wickは、デジタルテクノロジーを通じて人々の生活の質の向上および経済的・社会的機会の拡大を促し、バングラデシュの持続可能で包摂的な発展に貢献することを目指します。
外務省 SDGsサイト「JAPAN SDGs Action Platform」における「持続可能な開発のための2030アジェンダ 仮訳(PDF)」によると、以下のように記載があります。
目標 1. あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる
1.1 2030年までに、現在 1 日 1.25 ドル未満で生活する人々と定義されている極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる。 1.2 2030年までに、各国定義によるあらゆる次元の貧困状態にある、 すべての年齢の男性、女性、子どもの割合を半減させる。 1.3 各国において最低限の基準を含む適切な社会保護制度及び対策を実施し、2030年までに貧困層及び脆弱層に対し十分な保護を達成する。 1.4 2030年までに、貧困層及び脆弱層をはじめ、すべての男性及び女性が、基礎的サービスへのアクセス、土地及びその他の形態の財産に対する所有権と管理権限、相続財産、天然資源、適切な新技術、マイクロファイナンスを含む金融サービスに加え、経済的資源についても平等な権利を持つことができるように確保する。 1.5 2030年までに、貧困層や脆弱な状況にある人々の強靱性(レジリエンス)を構築し、気候変動に関連する極端な気象現象やその他の経済、社会、環境的ショックや災害に暴露や脆弱性を軽減する。 1.a あらゆる次元での貧困を終わらせるための計画や政策を実施するべく、後発開発途上国をはじめとする開発途上国に対して適切かつ予測可能な手段を講じるため、開発協力の強化などを通じて、さまざまな供給源からの相当量の資源の動員を確保する。