日本財団×ALLIANCE FOR THE BLUE×Creema
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廃魚網が素材になったクリエイティブな作品群 日本財団×ALLIANCE FOR THE BLUE×Creemaが発表会

日本財団、ALLIANCE FOR THE BLUE、そしてCreemaが、廃魚網からリサイクルされた作品の発表会をCreema本社で開催しました。展示された作品から、廃漁網がどのようにリサイクルされているか、どのような製品に生まれ変わっているかがわかります。

日本財団とALLIANCE FOR THE BLUE、そしてCreemaは2023年3月9日に、廃魚網からリサイクルされた作品の発表会がCreema本社にて行われた。本発表会では廃漁網がどのようにリサイクルされているのか、どのような作品にリサイクルされたのかが実際に展示・紹介されていました。

本発表会の模様をお届けしますのでご覧ください。

日本財団の海野光行常務理事は冒頭に登壇し、「海洋ゴミですが、最近ではプラスチックも増えてきました。プラスチックが問題なのは、分解されないために600年もの間、海を漂い続けることです。分解されると、それがナノプラスチックとなり、魚の体内に入ってしまいます。プラスチックには有害な物質が含まれており、生命に危険をもたらします。世界では800万トンものプラスチックが流出しており、2050年には魚の量を上回るとも言われています。」と述べました。



ALLIANCE FOR THE BLUEの野村浩一理事が、「コストが掛かってしまうという課題があると思います。当たり前ですけど、同じ種類のものを沢山作ると安くなります。でも、同じ種類を沢山作ったら使う方が嫌ですよね。専用の生地を作ってほしい。そういう要望にどう答えるかです。」とコストについての課題問題を挙げました。

 

続けて「物を作る中でいかにコストを下げるかということもありますが、その中で分かってきたのは、僕らも甘く考えていました。これだけ環境に良いんだから、『多少高くても買ってくれるだろう』と思っていたんですけど、実は環境に良いだけじゃ売れないということが分かってきました。」と、廃漁網を活用した際の課題を述べまた、「ただナイロンなので素材が良い。また環境にも品質にも良いです。今回はコンテスト形式で数多くの作品を募集したところ、74名の作家さんが応募してくださり、一次選考を通ったのは54名、102作品ありました。二次選考では31作品が選ばれました。」と語りました。



続いて、Creemaの丸林耕太郎代表は、「現在Creemaには25万人のクリエイターが登録しており、月間2200万人が訪問し、年間売上高は160億円に達しています。東京ビッグサイトで5万人が来場するリアルイベントも開催しており、PR支援や伝統工芸産業のデジタルシフト支援なども行っています。」とCreemaのサービスやクリエイターとの繋がりを説明しました。

続けて丸林代表は「また、クリエイターが資金を募るクラウドファンディングサービスも提供しています。廃漁網で作られた作品はどれも品質が高く、今回の取り組みはクリエイターを通じて実現しました。」と、廃漁網の取り組みについてコメントしました。

作品はワンピース、ネックレス、ラウンドバッグ、靴、ジャケット、クッション、ヘアバンド、エプロンなどで会場にも展示されていました。

今回のCreemaとALLIANCE FOR THE BLUEとからは100を超える提案がされましたが、本イベントにはその中から31点が展示。作品はCreemaのウェブサイトで実際に購入することが可能です。

Creemaのウェブサイト:https://www.creema.jp/feature/1679

発表会後の質疑応答では、何故廃漁網を選んだのかなど、質問が挙がっていますのでご覧くらださい。

 

記者 何故今回は廃漁網に目をつけたのですか?
海野 日本財団としては、世界各地の海洋ゴミ問題について、いろんな研究を進めてきたのですが、やはりプラスチックゴミの約半分が漁具でして、その中で1番悪さをしているのが網なんです。この網をどのような形でアップサイクルをして、新しい商品に変えていくか、この海洋問題を分かってもらう上での肝だと考えております。
野村 漁網はもの凄い量があるんです。1つの船で200~400メートルあります。集めても埋めるか燃やすかせざるを得ないくらいなんです。網というのはある程度量が固まっている素材ということと、100ナイロンが多いということで、経済効率性が必要なわけで選びました。

 

記者 漁網は海洋から回収された漁網なのですか? それとも漁師さんから回収したものなのですか?
野村 海洋に出た漁網はかなりの確率で沈んでしまい、また海は広すぎて探すことが出来ないんです。滅多に見ないんです。廃棄量は分からないのですが、だいたい毎年6000トンの網が生産しており、それを効果的に回収することにより不法投棄を無くす、つまり元から絶つということになります。廃漁網は埋めてるか燃やしてるかなんです、下手したら海に捨ててます。『海に落ちてるやつをやらないと意味がない』と言われますが無料で回収したり、場合によってはお金を払って回収すれば捨てる人が居なくなります。

 

記者 廃漁網の課題では継続的な取り組みが必要だと思いますが、どれくらいのスパンで取り組んでいきますか?
海野 廃漁網が有る限りは続けて行きます。元を絶つというのが大事だと思います。

今回のイベントでは廃漁網から作られた作品が会場に展示されており、中にはランドセルや犬用服、ヴィーガン靴なども展示されていました。筆箱はコクヨから、鞄は豊岡鞄から販売されるとのことです。

コクヨと豊岡鞄ウェブサイトに特設サイトがあるのでご覧になってください。

 

豊岡鞄 特設サイト
https://toyooka-kaban.jp/product-for-the-blue/
コクヨ 特設サイト
https://www.kokuyo-st.co.jp/stationery/neocritz-fishingnets/
Creema特設サイト
https://www.creema.jp/feature/1679

 

今後も廃漁網だけでなく様々な物をリサイクルしクリエイターと繋がり作品作りを行っていくとのことです。どのような物からどのような作品が出来るのか楽しみになってきます。

外務省 SDGsサイト「JAPAN SDGs Action Platform」における「持続可能な開発のための2030アジェンダ 仮訳(PDF)」によると、以下のように記載があります。

目標14 持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する
14.1 2025年までに、海洋ごみや富栄養化を含む、特に陸上活動による汚染など、あらゆる種類の海洋汚染を防止し、大幅に削減する。
14.2 2020年までに、海洋及び沿岸の生態系に関する重大な悪影響を回避するため、強靱性(レジリエンス)の強化などによる持続的な管理と保護を行い、健全で生産的な海洋を実現するため、海洋及び沿岸の生態系の回復のための取組を行う。
14.3 あらゆるレベルでの科学的協力の促進などを通じて、海洋酸性化の影響を最小限化し対処する。
14.4 水産資源を、実現可能な最短期間で少なくとも各資源の生物学的特性によって定められる最大持続生産量のレベルまで回復させるため、2020年までに、漁獲を効果的に規制し、過剰漁業や違法・無報告・無規制(IUU)漁業及び破壊的な漁業慣行を終了し、科学的な管理計画を実施する。
14.5 2020年までに、国内法及び国際法に則り、最大限入手可能な科学情報に基づいて、少なくとも沿岸域及び海域の10パーセントを保全する。
14.6 開発途上国及び後発開発途上国に対する適切かつ効果的な、特別かつ異なる待遇が、世界貿易機関(WTO)漁業補助金交渉の不可分の要素であるべきことを認識した上で、2020年までに、過剰漁獲能力や過剰漁獲につながる漁業補助金を禁止し、違法・無報告・無規制(IUU)漁業につながる補助金を撤廃し、同様の新たな補助金の導入を抑制する**。 **現在進行中の世界貿易機関(WTO)交渉およびWTOドーハ開発アジェンダ、ならびに香港閣僚宣言のマンデートを考慮。
14.7 2030年までに、漁業、水産養殖及び観光の持続可能な管理などを通じ、小島嶼開発途上国及び後発開発途上国の海洋資源の持続的な利用による経済的便益を増大させる。
14.a 海洋の健全性の改善と、開発途上国、特に小島嶼開発途上国および後発開発途上国の開発における海洋生物多様性の寄与向上のために、海洋技術の移転に関するユネスコ政府間海洋学委員会の基準・ガイドラインを勘案しつつ、科学的知識の増進、研究能力の向上、及び海洋技術の移転を行う。
14.b 小規模・沿岸零細漁業者に対し、海洋資源及び市場へのアクセスを提供する。
14.c 「我々の求める未来」のパラ158において想起されるとおり、海洋及び海洋資源の保全及び持続可能な利用のための法的枠組みを規定する海洋法に関する国際連合条約(UNCLOS)に反映されている国際法を実施することにより、海洋及び海洋資源の保全及び持続可能な利用を強化する。