PaperLab A-8000
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脱炭素EXPO 自社で紙の再生が出来るエコな機械をエプソンが開発

エプソンが開発した「乾式オフィス製紙機 PaperLab A-8000」が、3月に開催された「脱炭素EXPO 春」のエプソンブースにて紹介されていました。SDGs fanはそこに注目し担当者の方にお話を伺いました。

エプソンが開発した「乾式オフィス製紙機 PaperLab A-8000(以下、PaperLab)」が、3月15日から17日まで開催された「脱炭素EXPO 春」のエプソンブースにて紹介されました。

同製品は一般向けの販売ではなくオフィスなどに導入するもので、用紙の購入を減らし、水を使わずに新たな紙を生み出すというまさにエコなものです。

実機の展示は無かったものの、担当の方にお話を聞くことができましたので、どのようなものなのか紹介したいと思います。

記者 PaperLabはどのようなものなのですか?
担当 その場で紙の再生ができるという機械です。

記者 紙の再生というと、とても大きい工場を想像します。理科の実験で紙を作ったことはありますが。紙の再生はそもそも水を使いますよね?
担当 はい、紙すきは水を使います。ただPaperLabはほとんど水を使わずに再生が出来ます。実際に再生された紙がこちらです。(※下記写真)

記者 紙の再生はどれくらいの時間かかるのでしょうか?
担当 不要な紙を入れてから約3分で1枚目が再生されます。

記者 光沢紙など再生が出来ない紙はあるのですか?
担当 はい、光沢紙やファイン紙は再生できません。一般的な印刷紙の再生のみです。

実際に手渡された再生紙は、非常に厚みがあり、かつ強度も高いA4サイズの紙でした。色は単色ではなく、まざりっけのある色をしていますが、これはPaperLabが再生することのできる紙の種類が多岐に渡るためであり、元々そういう材質の紙だと思えば気になりません。PaperLabは、再生紙の厚みや強度の仕上がりも、再利用される紙の種類によって調整されることがわかりました。


またPaperLabを導入することによりセキュリティー向上にも繋がります。不要な紙をゴミ箱に廃棄するよりも再生することによりデータ流出が防げるというわけです。

PaperLabは、「繊維化」、「結合」、「成形」の順で再生の工程が進められ、最終的に新しい紙が作られます。

最初に、PaperLabに使用済みの紙を入れると「繊維化」の工程が始まります。この工程では、衝撃力で紙を繊維に分解します。

次に、繊維を「結合」するための工程が行われます。結合素材を加えることで、再生紙の強度や白色度が向上します。

最後に、「成形」の工程に進みます。この工程では、加圧することで繊維が丈夫な紙になります。これらの工程を経て、使用済みの紙が新たな紙に生まれ変わります。

PaperLabは以下のSDGsの目標に関わっています。

目標6:安全な水とトイレを世界中に

目標8:働きがいも経済成長も

目標9:産業と技術革新の基盤をつくろう

目標11:住み続けられるまちづくりを

目標12:つくる責任 つかう責任

目標13:気候変動に具体的な対策を

目標15:陸の豊かさも守ろう

 

エプソンが開発したPaperLabは、再生紙の製造をオフィス内で可能にする画期的なエコテクノロジーです。水を使わずに新しい紙が生み出されるこの製品は、用紙の購入を減らして廃棄物の減量にもつながります。また、セキュリティー向上にも貢献するPaperLabは、SDGsの目標にも合致しています。今後、家庭でも使用できる小型化が期待されますが、現在はオフィス用として導入され、環境問題に取り組む企業に注目されています。



国際連合広報センターサイト「JAPAN SDGs Action Platform」における「持続可能な開発のための2030アジェンダ 仮訳(PDF)」によると、以下のように記載があります。

目標 15. 陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する
15.1 2020年までに、国際協定の下での義務に則って、森林、湿地、山地及び乾燥地をはじめとする陸域生態系と内陸淡水生態系及びそれらのサービスの保全、回復及び持続可能な利用を確保する。
15.2 2020年までに、あらゆる種類の森林の持続可能な経営の実施を促進し、森林減少を阻止し、劣化した森林を回復し、世界全体で新規植林及び再植林を大幅に増加させる。
15.3 2030年までに、砂漠化に対処し、砂漠化、干ばつ及び洪水の影響を受けた土地などの劣化した土地と土壌を回復し、土地劣化に荷担しない世界の達成に尽力する。
15.4 2030年までに持続可能な開発に不可欠な便益をもたらす山地生態系の能力を強化するため、生物多様性を含む山地生態系の保全を確実に行う。
15.5 自然生息地の劣化を抑制し、生物多様性の損失を阻止し、2020年までに絶滅危惧種を保護し、また絶滅防止するための緊急かつ意味のある対策を講じる。
15.6 国際合意に基づき、遺伝資源の利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分を推進するとともに、遺伝資源への適切なアクセスを推進する。
15.7 保護の対象となっている動植物種の密猟及び違法取引を撲滅するための緊急対策を講じるとともに、違法な野生生物製品の需要と供給の両面に対処する。
15.8 2020年までに、外来種の侵入を防止するとともに、これらの種による陸域・海洋生態系への影響を大幅に減少させるための対策を導入し、さらに優先種の駆除または根絶を行う。
15.9 2020年までに、生態系と生物多様性の価値を、国や地方の計画策定、開発プロセス及び貧困削減のための戦略及び会計に組み込む。
15.a 生物多様性と生態系の保全と持続的な利用のために、あらゆる資金源からの資金の動員及び大幅な増額を行う。
15.b 保全や再植林を含む持続可能な森林経営を推進するため、あらゆるレベルのあらゆる供給源から、持続可能な森林経営のための資金の調達と開発途上国への十分なインセンティブ付与のための相当量の資源を動員する。
15.c 持続的な生計機会を追求するために地域コミュニティの能力向上を図る等、保護種の密猟及び違法な取引に対処するための努力に対する世界的な支援を強化する。