「NIMBUS MIRAI」記者発表会
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株式会社アシックス、材料を容易に分別しリサイクルできるようにしたランニングシューズ「NIMBUS MIRAI」の記者発表会を開催

株式会社アシックスは、シューズに使われている材料を容易に分別しリサイクルできるようにしたランニングシューズ「NIMBUS MIRAI(ニンバスミライ)」を発売します。発売に先⽴ち、記者発表会をアシックスラン東京丸の内にて開催しました。

株式会社アシックスは、シューズに使われている材料を容易に分別しリサイクルできるようにしたランニングシューズ「NIMBUS MIRAI(ニンバスミライ)」を、4⽉12⽇からアシックスラン東京丸の内、アシックスフラッグシップ原宿、アシックスストア⼤阪、アシックスオンラインストアで発売します。発売に先⽴ち、記者発表会を、2024年4⽉11⽇(⽊)10:30から、アシックスラン東京丸の内にて開催。本商品の発売時期や発売場所、販売価格などの商品詳細情報、開発背景について語りました。またゲストにサーキュラーエコノミーの研究家として企業、⾃治体、博覧会、⾳楽イベントのアドバイザーなどを務める安居昭博⽒をお迎えし、シューズ産業におけるサーキュラーエコノミーの価値やお客さまがシューズの回収活動に参加することの重要性について議論を交わしました。



まず始めに株式会社アシックスNIMBUS MIRAI 開発責任者フットウエア⽣産統括部マテリアル部⻑上福元史隆が登壇。3年7ヶ⽉の開発期間を経て発売に⾄った本商品の名前の由来を説明。『NIMBUS』はラテン語で『雲』を意味し、まるで雲の上を⾛っているような履き⼼地を提供したいという想い、合わせて次世代に持続可能な世界を残すことをランナーと⼀緒に考えていきたい、という想いで『MIRAI』と名付けたことを明かしました。また「アシックスを代表するクッション性を重視した⾼機能ランニングシューズ『GEL-NIMBUS』シリーズで、サステナブルと⾼い機能性を両⽴させたシューズである」と語りました。上福元はシューズ業界が抱える3つの課題を説明。「1つ⽬は『アッパーとソールが分離できないこと』、『シューズのアッパーは複合素材でできていること』、『そもそもシューズの回収/リサイクルできる環境が整っていないこと』とし、その課題を解決するために開発されたのが『NIMBUS MIRAI』である」と⾃信を持って語りました。

続いて同社パフォーマンスランニングフットウエア統括部デザイン部安藤良泰が登壇し、商品のポイントをより掘り下げて解説。「『NIMBUS MIRAI』は⾃社独⾃開発の接着剤を使⽤することで、アッパーとソールが分解可能となっています。さらにアパレル産業で⼤量に使⽤、廃棄されているポリエステルに着⽬し、アッパーをポリエステル系繊維のみの単⼀素材を実現したことで、シューズ産業においてサステナビリティを⼤きく推進させるアイテムとなっています」と新たなループを⽣み出す商品であることを伝えました。

合わせてシューズやシューズBOXのデザインについて、「サーキュラリティを意味する円や、リサイクルのループのストーリーを⼿書き⾵デザインで描くこと で、お客様と親しみを持ってコミュニケーションをしたいという想いと⼀体となってループを完成させたいという想いを込めている」と熱弁しました。次に語ったのが本商品開発を確信を持って前に進めるきっかけとなった徳島県上勝町について。安藤は「町全体で環境保全に取り組む上勝町を訪れた際に、町内でリサイクル出来ていない20%にシューズが含まれると聞き、課題解決のために取り組む意義を強く実感した。また、上勝町で積極的に町⺠を巻き込んでいることに注⽬し、積極的に参加できるような仕組みづくりが成功の要因であると考えた。」と当初を回想し、プロジェクトにとって⼤きな存在であったことを明かしました。最後にサステナビリティ部⻑井上聖⼦が登壇。昨年発売した製品を引き合いに出し、「昨年は製品でのCO₂排出量削減を⽬指し、市販のスニーカーでCO₂排出量世界最少※の 『GEL-LYTE III CM1.95』を発売することができました。そして今年、アシックスが掲げるネットゼロに向けて、循環型ビジネスへの転換が必要不可⽋と考え、サーキュラーを実現するために『NIMBUS MIRAI』を発売します。」と継続的、かつ様々な⾓度からサステナビリティに取り組んでいることを伝えました。その上で重要なポイントとして、「『⾃社の製品の材料が次の製品に循環されること』、『製品の品質・機能性とサステナビリティの両⽅を追求すること』、『お客様と⼀緒にアクションを取っていくこと』を挙げ、本商品を通じてさらに取り組みを活性化させていくことを宣⾔しました。

※ 2023年9⽉時点、製品ライフサイクルにおける温室効果ガス排出量が開⽰されている市販シューズを対象としたデータに基づいています。



続いてサーキュラーエコノミーを研究する専⾨家安居昭博⽒とプロジェクトリーダーである上福元、加えて傍聴席には普段からスポーツに取り組む早稲⽥⼤学の学⽣を迎え、トークセッションを開催。1つ⽬のテーマである「シューズ産業におけるサーキュラーエコノミーの価値」に対して、安居⽒は「サーキュラーエコノミーは経済と環境を両⽴させる新しい経済モデルとして注⽬されており、本商品が⾃社独⾃開発の接着剤を使⽤していることなどから、シューズ産業にとどまらずイノベーションを起こしていくと予想しています。」と専⾨家の視点から⼤きな期待を寄せました。次に『NIMBUS MIRAI』が新しい取り組みと⾔うことができるポイントについて、安居⽒は「従来シューズ産業が抱えている課題全てに取り組んでいることや、機能性とサステナビリティを両⽴していることで、今まで各メーカーがクリアできなかったハードルを越えるためのチャレンジを⾏っています。またアシックスを代表するランニングシューズでサーキュラーエコノミーを取り⼊れたことはアシックスの本気度が伺えます。」と今までにない取り組みを称賛しました。



今回本イベントを実施するにあたり、⽇常から週1回以上スポーツを楽しむユーザー1118名に対して事前調査を実施。調査によると、「ランニングシューズなどスポーツシューズを選ぶ際に、どのような要素を重視しますか︖」という質問に対して、40.8%の⽅が「機能性」、24.1%の⽅が「デザイン」、「サステナビリティを重視する」と答えたのは13.1%という結果に。⼀⽅で「普段からランニングシューズなどスポーツシューズを購⼊する際環境に良い素材を選ぶなど意識したことがありますか」という質問に対して、72.8%がはいと回答し、サステナビリティにも関⼼が⾼いということも⽰されました。ここでいいえと回答した27.2%の⽅を対象に、「なぜ、環境に良い(サステナブルな)シューズを選ばないのでしょうか︖」という質問に対して「環境にいいシューズを知らないため」と回答したのが47.4%に上っていることを受け、傍聴席の早稲⽥⼤学学⽣は「練習で繰り返し使える耐久性とスポーツにおいて⾃分を表現できるデザインを重視しています。」と答えました。それを受け、上福元は「今まで⾮常に両⽴が難しかったが、その課題を解決したのが『NIMBUS MIRAI』です。だからこそ多くのお客様にこの取り組みに参加してもらいたいです。」と語りました。

次に「シューズの廃棄⽅法」についての調査で、「使い古したシューズはどうしていますか︖」という質問に対しては49.8%と、なんと約半数の⽅が「捨てている」、24.9%が「⼈にあげている」、21.2%が「リサイクルしている」と回答。安居⽒は「⼈にあげることやリサイクルショップに売ることはリサイクルではなくリユースであり、『本当の意味でのリサイクル』はあまり知られていません。さらに今まではリサイクルがしたくてもできない現状があったことも⼤きな要因であったため、知識を深めることと環境が整備されることの両⽅が重要なんです。」と説明。それを受け、上福元は「サステナブルな商品だから積極的に使⽤するという考え⽅も重要ですが、⾃分が好きなシューズを⼿にした結果、サステナブルにも気を遣うことができたという発⾒を、『NIMBUS MIRAI』をきっかけに体感してほしいと考えています。今回の取り組みに関してはお客様がシューズのリサイクルをした後が完成形になるため、お客様との関係性も⼤切にしていくことでこの取り組みを成功させたい」と語りました。最後に本トークセッションを受け、早稲⽥⼤学⽣は「実際にプロダクトを製作する会社がアクションを起こしていくことが必要なのだと考えました。機能性が優れているという評価を持つアシックスが『機能性を妥協しない』と⾔い切って販売していくことで、サステナブルな商品でも機能性が担保されている信頼が消費者に届いており、業界として⼤きな⼀歩になっていると感じました。」と話しました。「思い出のあるシューズが次のシューズになり、商品を通して⼈と繋がれるのも魅⼒的だと感じました。 QRコードで読み取るだけで簡単に回収できるシステムだということを知ったので是⾮取り組んでみたいと思います。」と⾃⾝の⾏動が変わるきっかけとなったと話しました。

■ 正式名称
「NIMBUS MIRAI」記者発表会
■ 開催⽇時
2024年4⽉11⽇(⽊)10:30〜11:40(報道受付:10:00)
■ 会場
会場:アシックスラン東京丸の内(東京都千代⽥区丸の内2丁⽬52)
■ 登壇者
NIMBUS MIRAI 開発責任者フットウエア⽣産統括部マテリアル部⻑上福元史隆
デザイン担当者パフォーマンスランニングフットウエア統括部デザイン部安藤良泰
サステナビリティ部⻑井上聖⼦
「サーキュラーエコノミー実践オランダに探るビジネスモデル(学芸出版社)」著者 安居昭博⽒



品名:NIMBUS MIRAI
品番:1013A138
価格:22,000円(税込)
カラー:22,000円(税込)
サイズ:22.5〜29.0cm(0.5㎝刻み)、30.0cm
素材:アッパー︓合成繊維アウターソール︓ゴム底
⽣産国:ベトナム
特設サイト:https://www.asics.com/jp/ja-jp/mk/mirai

SDGs目標12「つくる責任つかう責任」とありますが、そもそも具体的にはどういったことなのでしょうか?

国際連合広報センターサイト「JAPAN SDGs Action Platform」における「持続可能な開発のための2030アジェンダ 仮訳(PDF)」によると、以下のように記載があります。

目標12. 持続可能な生産消費形態を確保する
12.1 開発途上国の開発状況や能力を勘案しつつ、持続可能な消費と生産に関する10年計画枠組み(10YFP)を実施し、先進国主導の下、全ての国々が対策を講じる。
12.2 2030年までに天然資源の持続可能な管理及び効率的な利用を達成する。
12.3 2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食品ロスを減少させる。
12.4 2020年までに、合意された国際的な枠組みに従い、製品ライフサイクルを通じ、環境上適正な化学物質や全ての廃棄物の管理を実現し、人の健康や環境への悪影響を最小化するため、化学物質や廃棄物の大気、水、土壌への放出を大幅に削減する。
12.5 2030年までに、廃棄物の発生防止、削減、再生利用及び再利用により、廃棄物の発生を大幅に削減する。
12.6 特に大企業や多国籍企業などの企業に対し、持続可能な取り組みを導入し、持続可能性に関する情報を定期報告に盛り込むよう奨励する。
12.7 国内の政策や優先事項に従って持続可能な公共調達の慣行を促進する。
12.8 2030年までに、人々があらゆる場所において、持続可能な開発及び自然と調和したライフ スタイルに関する情報と意識を持つようにする。
12.a 開発途上国に対し、より持続可能な消費・生産形態の促進のための科学的・技術的能力の強化を支援する。
12.b 雇用創出、地方の文化振興・産品販促につながる持続可能な観光業に対して持続可能な開発がもたらす影響を測定する手法を開発・導入する。
12.c 開発途上国の特別なニーズや状況を十分考慮し、貧困層やコミュニティを保護する形で開発に関する悪影響を最小限に留めつつ、税制改正や、有害な補助金が存在する場合はその環境 への影響を考慮してその段階的廃止などを通じ、各国の状況に応じて、市場のひずみを除去することで、浪費的な消費を奨励する化石燃料に対する非効率な補助金を合理化する。