ロングライフ紙パックの日
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国際会議や大手ホテルで「ロングライフ紙パック飲料」の採用広がる  “常温で長期保存が可能”な紙パックで食品ロスも削減へ

日本テトラパックは「環境に配慮」し「おいしく」かつ「食品ロスの少ない」ライフスタイルを生活者に届けることを目的として、8月9日をロングライフ紙パックの日として制定しました。

8月9日はロングライフ紙パックの日。ロングライフ紙パックとは、保存料を使用せず常温で長期保存が可能、さらに環境負荷が低い、という特長をもつ紙容器です。すでに様々な飲料製品に使用されているロングライフ紙パックですが、最近ではロングライフ紙パック入りのミネラルウォーターや緑茶飲料が発売され、国内の大手ホテルの来客用飲料として提供されています。環境への配慮や食品ロス削減が世界中で話題となっている昨今、ロングライフ紙パックの良さをより多くの人に知ってもらい、「環境に配慮」し「おいしく」かつ「食品ロスの少ない」ライフスタイルを生活者に届けることを目的として、8(パッ)と9(ク)の語呂合わせから、食品加工処理と紙容器充填包装システムの世界的なリーディング・カンパニーである日本テトラパックが制定しました。



【完全に無菌の環境下で食品・飲料を充填する特殊な技術でパック詰めをしているから…!】
食品と包材を滅菌し、アセプティック技術(無菌充填技術)を用いて、完全に無菌の環境で充填を行うことで食品の変質の原因となる細菌・カビ・酵母など有害な微生物が容器の中に混入しないため、保存料を使わなくても常温での長期保存が可能です。また、チルド製品の場合、容器に食品・飲料を詰める際に空気に触れてしまいますが、アセプティック容器は充填しながら容器を形成する(液面下充填)ため、充填の際に酸素が入らず、食品・飲料の酸化を抑制します。



同社のアセプティック容器には実は古い歴史があります。同社は1960年代半ばにアセプティック充填機の市場導入を開始し、1970年代前半から飲料メーカーの採用が次々と進み普及していきました。最初は牛乳などの飲料だけでしたが、2018年に「食品、添加物等の規格基準」が改正されたことにより無菌充填豆腐の常温販売が解禁され、今では飲料だけでなく豆腐やスープ、パンナコッタといったデザートなども常温保存可能なアセプティック容器で販売されています。直方体のものから手に収まりやすい八角形のものなど、様々な形やサイズが展開され、容器の種類は増え続けています。

常温で長期保存が可能だからこそ、家庭での食品ロス削減に貢献!

●政府の発表によると、2030年までの食品ロス削減目標に向けて、「家庭系」の廃棄は減少傾向に
2024年6月に環境省より発表された食品ロスの発生量の推計値によると、2022年度の食品ロス量は約472万トンと推計されました。政府は食品ロスを2030年度までに2000年度の980万トンからおよそ半減(489万トン)させることを目標としていましたが、8年前倒しで達成したことになります。これは、食品製造業やコンビニなどで、賞味期限の延長や納品期限の緩和といった取り組みが広がったことで「事業系」の廃棄が大幅に減ったことが要因です。「家庭系」の廃棄単体でみると、2030年の目標には届いていませんが、2020年以降徐々に減少しており、食べ残しや未開封食品の廃棄をさらに減らしていくことで目標に近づけていけるでしょう。

●家庭での食品ロス削減にロングライフ紙パックが活躍!
食べ残しを減らす、余分な食材は買いすぎないなど、既にできる限りの食品ロスを減らす取り組みを実践していて、これ以上、何をしたらよいか分からない…と思う方も多いのではないでしょうか。そんな方におすすめなのがロングライフ紙パックです。まとめ買いをすることが多くなっている昨今、期限までに使いきれなかったり、冷蔵庫の奥にしまっていて気がついたら消費期限切れになってしまったりなど、食品ロスをしてしまいやすくなります。ロングライフ紙パックは未開封であれば常温で長期保存が可能なため、冷蔵庫に入れなくても保管ができるので在庫管理がしやすく、気づかぬうちに消費期限切れしてしまうことを防げます。賞味期間が短くてすぐに使いきれないような牛乳や豆腐はロングライフ紙パックのものを選ぶことで、まとめ買いですぐには使い切れなかった食品ロスがなくなります。食品ロス削減の取り組みに加えて、まとめ買いのときにはロングライフ紙パック入りの食材を選ぶ、といったこともプラスしてあげると「家庭系」の食品ロスをさらに削減していくことに繋がります。


再生可能資源使用!需要高まる環境に配慮したロングライフ紙パック

●いま紙容器やバイオマスプラスチックの需要が高まっている
2019年に策定された「プラスチック資源循環戦略」では、2030年までにプラスチックの再生利用(再生素材の利用)を倍増させること・バイオマスプラスチックを約200万トン導入することを目標としています。それに伴い、各企業ではプラスチックを使用した製品の設計や自主回収・再資源化が求められており、そのため紙容器の需要が高まり、紙容器の採用が広がってきています。

●大手ホテルでも採用!企業や国際会議など、様々な場所へ広がるロングライフ紙パック
ロングライフ紙パックは、原材料の70%以上が再生可能資源である木材を使用しています。また容器に使用している紙は、適切に管理された森林から調達している木材を原材料としたFSC(R)認証紙であるため、持続可能性にも配慮しています。そのため、様々な場面での採用事例が増えています。
昨年開催されたG7広島サミットでは、各会場のテーブルウォーターとして紙パック入りのミネラルウォーターが採用され、各国首脳を招いたワーキングランチ・ワーキングディナーのほか、各国と日本との首脳会議などの場でも使用されました。他にも国際大会で選手が飲む水や、ブティックで来客用に提供される水などに使用されています。最近では、2024年5月に株式会社伊藤園から日本と欧州で同時販売されたロングライフ紙パックを使った新製品「お~いお茶 緑茶」も、国内の大手ホテルの来客用飲料として提供されており、今後もみなさんがロングライフ紙パック入りの飲料を目にする機会が増えていくことが期待されています。

SDGs目標12「つくる責任つかう責任」とありますが、そもそも具体的にはどういったことなのでしょうか?

国際連合広報センターサイト「JAPAN SDGs Action Platform」における「持続可能な開発のための2030アジェンダ 仮訳(PDF)」によると、以下のように記載があります。

目標12. 持続可能な生産消費形態を確保する
12.1 開発途上国の開発状況や能力を勘案しつつ、持続可能な消費と生産に関する10年計画枠組み(10YFP)を実施し、先進国主導の下、全ての国々が対策を講じる。
12.2 2030年までに天然資源の持続可能な管理及び効率的な利用を達成する。
12.3 2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食品ロスを減少させる。
12.4 2020年までに、合意された国際的な枠組みに従い、製品ライフサイクルを通じ、環境上適正な化学物質や全ての廃棄物の管理を実現し、人の健康や環境への悪影響を最小化するため、化学物質や廃棄物の大気、水、土壌への放出を大幅に削減する。
12.5 2030年までに、廃棄物の発生防止、削減、再生利用及び再利用により、廃棄物の発生を大幅に削減する。
12.6 特に大企業や多国籍企業などの企業に対し、持続可能な取り組みを導入し、持続可能性に関する情報を定期報告に盛り込むよう奨励する。
12.7 国内の政策や優先事項に従って持続可能な公共調達の慣行を促進する。
12.8 2030年までに、人々があらゆる場所において、持続可能な開発及び自然と調和したライフ スタイルに関する情報と意識を持つようにする。
12.a 開発途上国に対し、より持続可能な消費・生産形態の促進のための科学的・技術的能力の強化を支援する。
12.b 雇用創出、地方の文化振興・産品販促につながる持続可能な観光業に対して持続可能な開発がもたらす影響を測定する手法を開発・導入する。
12.c 開発途上国の特別なニーズや状況を十分考慮し、貧困層やコミュニティを保護する形で開発に関する悪影響を最小限に留めつつ、税制改正や、有害な補助金が存在する場合はその環境 への影響を考慮してその段階的廃止などを通じ、各国の状況に応じて、市場のひずみを除去することで、浪費的な消費を奨励する化石燃料に対する非効率な補助金を合理化する。