蓄電池併設プロジェクト
PROSPERITY

再生可能エネルギーの主力電源化に向けて 既設FIT太陽光発電所への蓄電池併設プロジェクトを開始します

FIP制度への移行と最適な制御支援で、持続可能な発電所運用を実現

ヒラソル・エナジー株式会社(東京都文京区、代表取締役:李 旻)は、再生可能エネルギーの主力電源化に向けて、FIT制度の既設太陽光発電所のFIP制度への移行および蓄電池の併設により、最適な運用と制御を行う共同プロジェクトを、株式会社イースト・エンジニアリング(東京都港区、代表取締役:東原 隆行)と開始しました。



これまで再生可能エネルギーの固定価格買取制度(以下「FIT制度」)により、多様な事業者が再生可能エネルギー市場に参入し、再生可能エネルギーが急速に拡大しました。しかし、FIT制度では電力市場の影響を受けず固定価格での電力の買取が保証されているため、電力の需給バランスを考慮する必要がなく、結果として、電力供給が需要を上回るなどバランスを崩す一因となっています。今後、再生可能エネルギーを安定的に活用するためには、需給バランスに応じた電力市場の変動を考慮し発電量を調整し、再生可能エネルギーを主力電源化することが求められています。



今回の共同プロジェクトでは、FIT制度からFIP制度※1 に移行した太陽光発電所に蓄電池を併設し、需要の低い時間帯に貯めた電力を市場価格が高い時に放電するなどの制御を行います。高精度な発電量予測を活用した制御により、運用の複雑さと不確実性を低減し、太陽光発電所の持続可能な運用と再生可能エネルギーの主力電源化に貢献します。 具体的には、発電所のEPCの知見・実績が豊富なイースト・エンジニアリングが、既設のFIT太陽光発電所の選定、蓄電池システムの設計と工事、メンテナンスを実施します。 また、太陽光発電量の高精度予測技術※2 や独自開発のエネルギー制御システム(EMS)を用いた蓄電池制御の実績※3 を有するヒラソル・エナジーが、発電量予測、日々のオペレーション業務(発電計画の策定と電力広域的運営推進機関OCCTOへの提出、蓄電池の充放電制御)を実施します。



ヒラソル・エナジーは、経済産業大臣に対し、特定卸供給事業制度※4 に定められた特定卸供給事業者(アグリゲーター)※5 の届出を行い、12月6日に特定卸供給事業者一覧に掲載されました。

※1 FIP制度:Feed-in Premiumの略称で、再生可能エネルギーの発電業者が市場で電力を販売した際の価格に、政府が一定のプレミアム(補助額)を加えることで、再生可能エネルギーの普及を支援する制度です。FIPでは、固定価格での買取を行うFITと異なり、市場価格と連動して変動するため、市場の動向に応じて発電収入も変動します。売電する際には、電力市場の需要と供給のバランスを保つために、事前に発電の計画値をOCCTOに提出します。この計画値が、実際の発電実績値と乖離がある場合は、「インバランス料金」としてペナルティを支払います。

※2 ヒラソル・エナジーの太陽光発電量の予測技術について:当社は、2023年に開催された第1回「太陽光発電量予測AIコンペティション」にて、短期予測賞を受賞しました。これまで積み重ねてきた独自のシミュレーション技術により、発電量の予測精度を向上させることができました。正確な発電予測により、予測発電量と実績発電量の差異を最小限に抑えることができ、収益に影響するインバランス料金を削減・最適化できます。

※3 ヒラソル・エナジー独自開発のEMSによる蓄電池の制御について:米倉山次世代エネルギーシステム研究開発ビレッジ(Nesrad)発電所では、ヒラソル・エナジーが開発したエネルギー制御システム「ぷらマネ(R)リンク」で複数台の蓄電池制御を行っています。
https://pplc.co/news/fRAEOVcd
「ぷらマネ(R)リンク」は、多種多様な分散エネルギーリソースやメーカーと容易に接続し統合的に制御できる点、継続的な運用サポート体制がある点が特徴です。Nesrad発電所においても、マルチベンダーの太陽光発電設備、蓄電池、EV充放電器の統合制御を行っています。また、高セキュリティの実現のために、必要な通信だけを許可し、他は全て遮断するホワイトリストファイアウォールを適用しているため、仮に周辺機器に脆弱性があり対策が遅れた場合でも、影響を最小限に抑えることができます。

※4 特定卸供給事業制度:特定卸供給事業者(アグリゲーター)が、電気の供給能力を有する者(発電事業者を除く)に対し、発電又は放電を指示し、集約した電気を小売事業、一般送配電事業、配電事業又は特定送配電事業の用に供するための電気を供給する制度。

※5 特定卸供給事業者(アグリゲーター):分散型電源を有する者やリソースアグリゲーターなど電気の供給能力を有する他の者(発電事業者を除く)から、1MWを超えて電気を集約・統合制御し、一般送配電事業者や小売電気事業者、特定送配電事業者、配電事業者に電気を供給する事業者。



ヒラソル・エナジー株式会社は、百年続く太陽光発電の実現を目指す東京大学発スタートアップです。先端技術とデジタルソリューションの提供により、太陽光発電所の事業的価値と社会的価値を最大限引き出すことを目指しています。発電所の性能再生事業、発電所の集約化運営を推進する百年ソーラー事業、太陽光発電関連のDXソリューションの提供などを行っています。

・社名: ヒラソル・エナジー株式会社
・本社所在地: 東京都文京区本郷7-3-1 東京大学アントレプレナープラザ501
・代表取締役: 李 旻
・事業内容: 百年ソーラー事業・太陽光発電所の修繕・再生サービス・地域電力支援事業、太陽光発電関連のデジタルソリューションサービス・その他付随する事業
・設立: 2017年2月21日
・HP: https://pplc.co



国際連合広報センターサイト「JAPAN SDGs Action Platform」における「持続可能な開発のための2030アジェンダ 仮訳(PDF)」によると、以下のように記載があります。

目標 7. すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する
7.1 2030 年までに、安価かつ信頼できる現代的エネルギーサービスへの普遍的アクセスを確保する。
7.2 2030 年までに、世界のエネルギーミックスにおける再生可能エネルギーの割合を大幅に拡大させる。
7.3 2030 年までに、世界全体のエネルギー効率の改善率を倍増させる。
7.a 2030 年までに、再生可能エネルギー、エネルギー効率及び先進的かつ環境負荷の低い化石燃料技術などのクリーンエネルギーの研究及び技術へのアクセスを促進するための国際協力を強化し、エネルギー関連インフラとクリーンエネルギー技術への投資を促進する。
7.b 2030 年までに、各々の支援プログラムに沿って開発途上国、特に後発開発途上国及び小島嶼開発途上国、内陸開発途上国のすべての人々に現代的で持続可能なエネルギーサービスを供給できるよう、インフラ拡大と技術向上を行う。