SDGs目標4 日本人女性起業家、人生をかけてアフリカの教育を変える
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SDGs目標4 小学校を退学していくコロナ禍の子どもたち 人生をかけてアフリカの教育を変える 寄付月間に月500円からの支援をお願い

世界最貧困、西アフリカ・シエラレオネ共和国の子ども達に教育支援を行う山梨県出身の活動家・下里夢美さんは、子ども達が夢を持ち、努力できる社会の実現を目指し、その人生を懸けて活動を続けています。

教育は、貧困状況から抜け出し自立するために、特に効果的な手段の一つで、SDGsの中でも必要不可欠なものと考えられています。
目標の中でも、無償かつ公正で質の高い初等教育、中等教育を受けられること、また男性や女性などの区別なく、ジェンダー格差を無くしていくことなどが掲げられています。

SDGs目標4は「質の高い教育をみんなに」とありますが、具体的にはどういったことなのでしょうか?
外務省 SDGsサイト「JAPAN SDGs Action Platform」における「持続可能な開発のための2030アジェンダ 仮訳(PDF)」によると、以下のように記載があります。

目標 4 . すべての人々への、包摂的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する
4.1 2030 年までに、すべての女児及び男児が、適切かつ効果的な学習成果をもたらす、無償かつ公正で質の高い初等教育及び中等教育を修了できるようにする。
4.2 2030 年までに、すべての女児及び男児が、質の高い乳幼児の発達支援、ケア及び就学前教育にアクセスすることにより、初等教育を受ける準備が整うようにする。
4.3 2030 年までに、すべての女性及び男性が、手頃な価格で質の高い技術教育、職業教育及び大学を含む高等教育への平等なアクセスを得られるようにする。
4.4 2030 年までに、技術的・職業的スキルなど、雇用、働きがいのある人間らしい仕事 及び起業に必要な技能を備えた若者と成人の割合を大幅に増加させる。
4.5 2030 年までに、教育におけるジェンダー格差を無くし、障害者、先住民及び脆弱な立場にある子どもなど、脆弱層があらゆるレベルの教育や職業訓練に平等にアクセスできるようにする。
4.6 2030 年までに、すべての若者及び大多数(男女ともに)の成人が、読み書き能力及び基本的計算能力を身に付けられるようにする。
4.7 2030 年までに、持続可能な開発のための教育及び持続可能なライフスタイル、人権、男女の平等、平和及び非暴力的文化の推進、グローバル・シチズンシップ、文化多様性と文化の持続可能な開発への貢献の理解の教育を通して、全ての学習者が、持続可能な開発を促進するために必要な知識及び技能を習得できるようにする。
4.a 子ども、障害及びジェンダーに配慮した教育施設を構築・改良し、すべての人々に安全で非暴力的、包摂的、効果的な学習環境を提供できるようにする。
4.b 2020 年までに、開発途上国、特に後発開発途上国及び小島嶼開発途上国、ならびにアフリカ諸国を対象とした、職業訓練、情報通信技術(ICT)、技術・工学・科学プログラムなど、先進国及びその他の開発途上国における高等教育の奨学金の件数を全世界で大幅に増加させる。
4.c 2030 年までに、開発途上国、特に後発開発途上国及び小島嶼開発途上国における教員養成のための国際協力などを通じて、資格を持つ教員の数を大幅に増加させる。



この記事では、世界最貧困、西アフリカ・シエラレオネ共和国の子ども達に教育支援を行う山梨県出身の活動家・下里夢美さんの活動についてご紹介します。

西アフリカのシエラレオネ共和国では、4割の子どもたちが中等教育を完了できず、コロナ禍での教育格差はより深刻です。SDGs目標4.1「すべての子どもに無償で質の高い初等・中等教育を届ける」への貢献を目指し、山梨県出身の下里夢美(しもさとゆめみ)さんは、シエラレオネ共和国で最貧困に陥る子ども達への教育支援を行っています。

山梨県笛吹市に生まれた下里夢美さんは、のどかな自然環境に囲まれ高校生までの18年間を山梨県で過ごしました。

人生の転機を迎えたのは、高校二年生の時。とあるテレビのドキュメンタリー番組を視聴し、わずか8歳のシエラレオネの男の子「アラジ君」が兄弟を養うために、必死でダイヤモンド鉱山で鉄くずを探して生活している様子を目にしました。

彼は、シエラレオネ共和国で10年以上続いた内戦により、反政府軍のゲリラによって目の前で両親を殺されていました。今、欲しいものが何であるかというTVクルーの質問に対して、「勉強がしたい」と答えた彼のことが、頭から1日も離れなくなりました。

高校二年生にして大きな衝撃を受けた下里の人生は、そこから大きく動き始めました。

遠く離れたシエラレオネの過酷な社会状況を変えるために、下里さんは動き出しました。

大学で国際協力を専攻したものの、シエラレオネを専門に支援するNPOや支援機関などをみつけることができず、卒業後、アルバイトしながら資金を捻出、それでも足りなかったため、100万円以上借金をしながらもシエラレオネへ何度も足を運びました。その後、2017年にNPO法人アラジを設立します。

下里さんが想いを強く持ち、NPO設立以来掲げているミッションは、最も過酷な状況にいる人々の最初のチャンスになることです。

現在でも、11年間続いた内戦や、2016年に流行したエボラ出血熱の影響により、経済的困難に陥る家庭の子どもたちの状況は深刻です。自分の教育費を捻出するため、セックスワークや物乞い、売り歩きなど、過酷な児童労働に従事しています。小学校を完了できない子どもは、17.3%(2019年,世界銀行)、中学校では約4割にも上ります。

働く子どもたちの貧困の連鎖を断ち切るのは「教育」です。教育支援は、コロナ感染症の影響で、国際協力業界で、下火傾向にありますが、今、後回しにしてはならない喫緊の課題です。

2018年に政権交代した政府は「初等教育無償化」に積極的に乗り出したものの、都市部のひとり親家庭や、農村部で働く子どもたちの教育格差は、SDGsの達成を困難にしています。

下里さんは、月100時間以上の児童労働に従事する、経済的困難な状況にある子どもたちを、小学校と連携して見つけだし、現金給付手当を行う事業を設立しました。

現在、下里さんの運営するNPO法人アラジでは4つの「教育支援」事業を行っています。

1.「農村部小学校定額給付支援」政府の支援の届かない地域へ、給食費・先生の給与・教材を補助するための定額銀金給付を実施
2.「都市部奨学金給付支援」月100時間以上の児童労働に従事する、片親家庭・里親家庭の子ども達に、生活保護費としての奨学金給付を実施
3.「10代のシングルマザー復学支援」 妊娠、出産を経験した女子が再び学校で学べるための毎月の奨学金給付を実施
4.「中高生男子向け性教育プログラム ハズバンドスクール」 若年妊娠の防止、女性の尊厳の向上を目指した教育プログラムを実施

現在までに、延べ1,100名に対して、教育の機会を届けています。



若年妊娠することで、10代のシングルマザーが学業を絶たれる大きな社会問題が残るシエラレオネ。子どもが育児をすることも、大きな家事労働として、教育が必要な女の子たちにのしかかります。

必要なことは、女子の復学機会の提供だけではなく、「男の子への性教育」であると決意し、「男子中高生向け性教育プログラム」を2021年11月よりスタートさせました。

「欲しい未来に、寄付を贈ろう。」を合言葉に、12月は全国的な協働キャンペーンが行われる寄付月間(GivingDecember)です。この12月にNPO法人アラジは、現在シエラレオネで行っている、4つの教育支援事業において、安定的な活動継続と更なる拡大を目的とし、マンスリーファンディング(https://syncable.biz/campaign/2090/)を実施しています。

マンスリーファンディングはクレジットカードで、月500円からの継続寄付者を集めるクラウドファンディングです。寄付月間である12月が、より良い社会を創っていくための活動における参画のひとつである「寄付による支援」について考える機会になればと思います。

皆様からの想いの詰まったご支援を元に、NPO法人アラジはこれからの活動を推進していきます。

団体名:特定非営利活動法人Alazi Dream Project(NPO法人アラジ)
創設:2014年3月7日
代表 理 事:下里夢美
所在:(日本)〒112-0014 東京都文京区関口1丁目44-3信生堂ビル4F
公式HP:https://alazi.org/