食用コオロギ
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食用コオロギ国内生産量No.1のグリラスが徳島県美馬市との間に災害時応援協定を締結

【目標12:つくる責任 つかう責任】徳島大学発のベンチャー企業として、食用コオロギに関連する品種改良・生産・原料加工・商品開発・販売を一貫して国内で行う株式会社グリラスは、自社の生産拠点と研究拠点が所在する徳島県美馬市との間に災害時応援協定を締結しました。

今回の協定は、グリラスの食用コオロギ生産拠点である美馬ファームと、研究拠点である美馬研究所に併設する市の指定避難所における、災害時のグリラス職員による避難所の開設・運営の協力と、食用コオロギを使用した自社商品「C. TRIA(シートリア)」の提供をお約束するものです。

 また3月10日(木)に開催した締結式では、藤田 元治様(美馬市長)を美馬ファームにお招きし、協定の締結およびコオロギを使用した缶入りパン300個の贈呈式、発災時を想定した自社商品「C. TRIA カレー」の炊き出し演習を行いました。この缶入りパンは美馬ファームおよび美馬研究所に配備し、災害時の非常食として使用します。

グリラスは2020年冬より、廃校となった旧芝坂小学校(美馬市美馬町字南原22-1)を美馬市より借り受け、食用コオロギの生産拠点「美馬ファーム」として整備・運営しています。また同じく2021年夏より、旧切久保小学校(美馬市美馬町字入倉657)を研究拠点「美馬研究所」として整備し、ゲノム編集技術を用いてコオロギの品種改良を進めています。これら2拠点は共に近隣の指定避難場所となっている施設が併設されており、災害時にグリラス職員が避難所の開設や運営に協力することで、より迅速な対応が見込めます。また施設を拝借している立場として、美馬市への恩返しができればという思いから今回の協定締結を決定しました。



グリラスは2021年11月より、美馬市のふるさと納税返礼品として「C. TRIA」商品5種をポータルサイト「さとふる(https://www.satofull.jp/city-mima-tokushima/)に出品しています。

 今後もグリラスは美馬市との連携を強めることで、雇用の創出や環境教育の推進・有事の際の支援など、地域への貢献を進めていきます。



2019年6月に国連より発表された報告書によると、今後30年で世界人口は77億人から97億人への増加が見込まれ、急激な人口増加に伴う飢餓や栄養不良といった食料問題への対応が喫緊の課題です。特に動物性タンパク質の不足は顕著であり、その解決策としてFAO(国際連合食糧農業機関)は昆虫食を推奨しています。昆虫は既存の畜産と比べて、1kgのタンパク質の生成に必要な餌や水の量が圧倒的に少ないため、限りある資源の有効活用が可能です。加えて温室効果ガスの排出量も少なく、環境負荷の低いタンパク源といえます。

 また日本を含めた多くの国々では年間13億トンにも上る食品ロスが発生しており、その量は全世界で生産されている食品の約3分の1に相当します。コオロギは雑食の昆虫であるため餌の制限が少なく、世界中で発生している食品ロスを餌として飼育することが可能です。これらの特徴からグリラスは、捨てられるはずの食品ロスを新たなタンパク質へと循環させることのできる食用コオロギを、循環型の食品“サーキュラーフード”と位置付け、食用コオロギ関連事業を行っています。



サーキュラーフードとは、持続可能な社会の実現にあたり、環境負荷の低減を目指し、かつ食品ロスを主要原料として活用すべく開発された新技術を用いて生産された循環型の食材及び食品のことを指します。サーキュラーフードの普及は、SDGsのターゲット12.3「2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食品廃棄物を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食品の損失を減少させる。」への寄与が見込めます。

 またグリラスは、サーキュラーフードの推進を通じて、2040年までに国内における年間253万トンの食品ロスの活用・循環を目指す「サーキュラーフード推進ワーキングチーム」の幹事企業です。

※サーキュラーフード推進ワーキングチームの詳細はこちらhttps://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000015.000070046.html



グリラスではサーキュラーフードをコンセプトとしたオリジナルブランド「C. TRIA(シートリア)」を自社ECサイト「グリラスオンライン」(https://gryllus-online.jp/pages/ctria)を中心に展開しています。現在は日本経済新聞社「2021年日経優秀製品・サービス賞 日経産業新聞賞」を受賞した2種のお菓子に加え、主食主菜となるカレーやパンを取り扱っています。また「C. TRIA」に使用しているコオロギ原料のブランド「C. TRIA Originals(シートリアオリジナル)」を2021年12月に設立しました。



グリラスは、徳島大学における30年に及ぶコオロギ研究を基礎とした、世界でもトップレベルの知見やノウハウを持つフードテックベンチャーです。徳島県美馬市の2つの廃校をそれぞれ生産拠点・研究拠点として整備し、コオロギの品種改良を目的とした研究開発から、食用コオロギの生産、食品原料や商品の開発・販売までを一貫して国内で行っています。

・社名     :株式会社グリラス(https://gryllus.jp/
・事業内容   :⾷⽤コオロギの⽣産
         ⾷⽤コオロギを⽤いた⾷品原材料および加⼯⾷品の製造、販売
         ⾷⽤コオロギの飼育管理サービスの開発、販売、研究開発 等
・代表取締役  :渡邉 崇人
・所在地    :徳島県鳴門市撫養町黒崎字松島45-56
・生産拠点   :徳島県美馬市美馬町字南原22-1
・研究拠点   :徳島県美馬市美馬町字入倉657
・資本金    :5億1,710万円(資本準備金等を含む)
・設立     :2019年5月



SDGs目標12「つくる責任つかう責任」とありますが、そもそも具体的にはどういったことなのでしょうか?

国際連合広報センターサイト「JAPAN SDGs Action Platform」における「持続可能な開発のための2030アジェンダ 仮訳(PDF)」によると、以下のように記載があります。

目標12. 持続可能な生産消費形態を確保する
12.1 開発途上国の開発状況や能力を勘案しつつ、持続可能な消費と生産に関する10年計画枠組み(10YFP)を実施し、先進国主導の下、全ての国々が対策を講じる。
12.2 2030年までに天然資源の持続可能な管理及び効率的な利用を達成する。
12.3 2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食品ロスを減少させる。
12.4 2020年までに、合意された国際的な枠組みに従い、製品ライフサイクルを通じ、環境上適正な化学物質や全ての廃棄物の管理を実現し、人の健康や環境への悪影響を最小化するため、化学物質や廃棄物の大気、水、土壌への放出を大幅に削減する。
12.5 2030年までに、廃棄物の発生防止、削減、再生利用及び再利用により、廃棄物の発生を大幅に削減する。
12.6 特に大企業や多国籍企業などの企業に対し、持続可能な取り組みを導入し、持続可能性に関する情報を定期報告に盛り込むよう奨励する。
12.7 国内の政策や優先事項に従って持続可能な公共調達の慣行を促進する。
12.8 2030年までに、人々があらゆる場所において、持続可能な開発及び自然と調和したライフ スタイルに関する情報と意識を持つようにする。
12.a 開発途上国に対し、より持続可能な消費・生産形態の促進のための科学的・技術的能力の強化を支援する。
12.b 雇用創出、地方の文化振興・産品販促につながる持続可能な観光業に対して持続可能な開発がもたらす影響を測定する手法を開発・導入する。
12.c 開発途上国の特別なニーズや状況を十分考慮し、貧困層やコミュニティを保護する形で開発に関する悪影響を最小限に留めつつ、税制改正や、有害な補助金が存在する場合はその環境 への影響を考慮してその段階的廃止などを通じ、各国の状況に応じて、市場のひずみを除去することで、浪費的な消費を奨励する化石燃料に対する非効率な補助金を合理化する。