世界初! 洋食器のニッコー、捨てられる食器をリサイクルした肥料「BONEARTH」を商品化
【目標12:つくる責任 つかう責任】陶磁器メーカーのニッコー株式会社は、食器が廃棄されることなく循環する世の中を目指し、サーキュラー型のビジネスモデルへの転換を行っています。この度、ボーンチャイナを肥料にリサイクルする技術を確立し、農林水産省より肥料として認定されました。
ニッコーが提供するボーンチャイナ製食器(NIKKO FINE BONE CHINA)は、陶磁器の原料である石や粘土に加え、(食肉加工され残った牛の骨を溶解再合成した)リン酸三カルシウムを約50%含めており、その白さと透光性、鉛やカドミウムフリーの安全性から、多くのシェフたちに愛用されています。
そのNIKKO FINE BONE CHINAのリサイクルで生まれた「BONEARTH」は、高温焼成で作られているので、臭いもなく、長期保存でき安全・清潔なリン酸肥料です。植物が自分の力で根から出すクエン酸に触れることでリン酸を溶かし養 分として吸い上げるため、万が一入れすぎたとしても、成長の妨げになる心配はありません。また、水に溶けないので、長期間肥料効果が持続し、河川流出もしにくく、環境にやさしい商品です。NIKKO FINE BONE CHINAの特徴はそのままに、純白で美しく、園芸用化粧砂としてもご活用いただけます。
■「BONEARTH」の3つの価値
・機能的価値:安全で効果が持続しやすく、花や実を育てるのに特に効果的
・情緒的価値:見た目も美しく、園芸用品の化粧砂としても活用可能
・サスティナビリティ価値:廃棄・埋め立てに伴う環境負荷・CO2削減 / リンの輸入・輸送に伴う環境負荷・CO2削減 / 既存肥料と比較して環境流出がないことによる環境負荷削減
効果、使用方法について:https://www.table-source.jp/nikko-circular-lab/bonearth/ (BONEARTH 特設WEBサイト)
BONEARTH(ボナース)
・用途:樹木、草花、野菜など (元肥)
・価格:1,320円(税込)/800g 、715円(税込)/300g
・販売開始時期:2022年4月2日(土)
・購入場所:(EC)ニッコー公式オンラインショップ https://www.nikko-tabletop.jp/
(店舗)LOST AND FOUND TOKYO STORE https://lost-found-store.jp/pages/tokyo-store
【肥料登録番号 生第107121号(農林水産省)】
※国際特許出願中
・保証成分量:「ク溶性リン酸」15.5%/「ク溶性石灰」18.0%
「N-P-K-Ca」0-15.5-0-18.0
・陶磁器業界、肥料業界の主要企業では世界初となるリサイクル肥料(ニッコー(株)調べ 2022年3月)
約2年半前より、ボーンチャイナに多く含まれる「リン酸三カルシウム」が肥料の重要な成分であることに着目し研究開発に着手。しかし、当時の肥料取締法では産業廃棄物とみなされ、どうすることも出来ませんでした。それでも諦めることなく、石川県立大学との共同研究にて肥料効果の検証に取り組み肥効を実証し、県や農林水産消費安全技術センター、農林水産省と相談を重ねました。そうしたなか「肥料の品質の確保等に関する法律」が2021年12月1日に施行され、ようやくボーンチャイナの肥料(陶磁器のサーキュラー化)の実現へと繋がりました。現在国内で使用されているリンは、ほぼ海外(主に中国)からの輸入に頼っており、輸入価格の高騰により肥料価格は大幅に上昇しています。これまで欠けや割れで産業廃棄物として廃棄せざるを得なかった食器をリン酸肥料として活用し、国内で循環させることで、サステナブルな食料生産にも繋がると考えています。
私たちは、食器由来の肥料を生産者に還元し、肥料を使用して育てた作物がレストランに届き、再びニッコーの食器の上に盛られた料理が生活者に提供される、そのような循環を様々なパートナーの皆さまと作りあげていきたいと考えています。
2020年12月1日付けで「BONEARTH」の肥料の効果の検証を目的として共同研究をスタート。専門性の高い石川県立大学との共同研究にて肥料効果が実証されました。(2021年12月、一回目の共同研究終了)現在、二回目の共同研究中。
NIKKOの目指す陶磁器の循環社会
現在、第一段階として、工場での生産過程で生じる規格外品から、リサイクル肥料「BONEARTH」を製造し、2022年4月2日より販売を開始します。
今後、第二段階として、ホテル・レストランで使用された(サブスク含む)自社品の回収に取り組みます。
第三段階は、他社品を含め広く回収し「BONEARTH」以外のリサイクル商品の製造販売を行い、より多くの食器の循環を目指します。
今後も「BONEARTH」の効果・活用方法について専門家、パートナーの方々を交えて研究を続けてまいります。
また、食器の循環についても、自社の取り組みだけでは不十分だと考えます。自社工場の生産過程で生じる規格外品を肥料にするだけでなく、今後、他社製品も含めた回収・再資源化を、これからも豊かな食を提供し続けたいとお考えのレストランや生産者の皆さま、そして資源枯渇や気候変動に立ち向かいたいとお考えの陶磁器メーカーの皆さまとパートナーシップを組み、食に関わる業界が結束して食器の循環に取り組むことで、業界全体の変革を実現します。
食器の循環モデル導入にご協力いただけるレストラン・農家・パートナーの皆さまも募集中です。
ご共感いただける方はぜひお問い合わせください。
[問い合わせ先] table source:https://www.table-source.jp/contact-us/
table source(テーブルソース)は、ニッコーが運営する飲食店のサスティナビリティを支援するウェブマガジンです。飲食店・ホテルのサスティナビリティを情報収集から調達・発信まで総合的に支援。また、食器のサーキュラーエコノミー実現に向けた取り組みの配信も行っています。配信をご覧になった方のヒントになり、生かしていける情報を具体的に記載しています。
「BONEARTH」がきっかけで生まれた「Table Planter(テーブルプランター)」は、サステナブルな社会における新しいライフスタイルを提案するプロダクトです。
ニッコーと Takram Japan株式会社が共同開発したこのTable Planterは、同じ食卓(テーブル)の上で人も植物も同じ素材の道具を使い生活をする、新しい感覚を提案します。
「BONEARTH」と⽩く清潔でファインな質感の器Table Planterに植物をしつらえることで、ダイニングテーブルやインテリアの中に新しい価値観を生み出します。
https://www.nikko-tabletop.jp/NIKKOTablePlanter/(Table Planter特設WEBサイト)
2022年4月2日(土)から5月9日(月)まで東京都渋谷区富ヶ谷にあるジェネラルストア「LOST AND FOUND TOKYO STORE」にて展示会を開催いたします。
ニッコー株式会社は石川県金沢市で1908年の創業以来、100年以上にわたり上質な陶磁器づくりに取り組んでまいりました。
しかし、近年では美しい陶磁器づくりに欠かせない上質な石や粘土などの天然資源が過剰な採掘により年々枯渇傾向にあり、一部の原材料ではすでに調達価格の高騰が始まっています。また、気候危機や土壌汚染、プラスチックによる海洋汚染など様々な環境破壊が原因で、私たちを取り巻く食の未来は危険にさらされています。
ニッコーが、次の100年も陶磁器づくりを続け、豊かな食とそれを楽しむ時間を守り続けていくためには、大量生産・大量消費・大量廃棄を前提としたリニア型のビジネスモデルから脱却し、製品づくりの段階から廃棄が出ない設計を考え、一度調達した資源ができる限り社会の中で循環し続けるサーキュラー型のビネスモデルへの変革を目指すため、NIKKO Circular Labを立ち上げ様々なアプローチを検証しております。
ニッコーでは、陶磁器の他、浄化槽やオーダーメイドバスルームなどの住設環境機器や、機能性セラミック商品など幅広い商品を開発・製造しています。
https://www.nikko-company.co.jp
SDGs目標12「つくる責任つかう責任」とありますが、そもそも具体的にはどういったことなのでしょうか?
国際連合広報センターサイト「JAPAN SDGs Action Platform」における「持続可能な開発のための2030アジェンダ 仮訳(PDF)」によると、以下のように記載があります。
目標12. 持続可能な生産消費形態を確保する
12.1 開発途上国の開発状況や能力を勘案しつつ、持続可能な消費と生産に関する10年計画枠組み(10YFP)を実施し、先進国主導の下、全ての国々が対策を講じる。 12.2 2030年までに天然資源の持続可能な管理及び効率的な利用を達成する。 12.3 2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食品ロスを減少させる。 12.4 2020年までに、合意された国際的な枠組みに従い、製品ライフサイクルを通じ、環境上適正な化学物質や全ての廃棄物の管理を実現し、人の健康や環境への悪影響を最小化するため、化学物質や廃棄物の大気、水、土壌への放出を大幅に削減する。 12.5 2030年までに、廃棄物の発生防止、削減、再生利用及び再利用により、廃棄物の発生を大幅に削減する。 12.6 特に大企業や多国籍企業などの企業に対し、持続可能な取り組みを導入し、持続可能性に関する情報を定期報告に盛り込むよう奨励する。 12.7 国内の政策や優先事項に従って持続可能な公共調達の慣行を促進する。 12.8 2030年までに、人々があらゆる場所において、持続可能な開発及び自然と調和したライフ スタイルに関する情報と意識を持つようにする。 12.a 開発途上国に対し、より持続可能な消費・生産形態の促進のための科学的・技術的能力の強化を支援する。 12.b 雇用創出、地方の文化振興・産品販促につながる持続可能な観光業に対して持続可能な開発がもたらす影響を測定する手法を開発・導入する。 12.c 開発途上国の特別なニーズや状況を十分考慮し、貧困層やコミュニティを保護する形で開発に関する悪影響を最小限に留めつつ、税制改正や、有害な補助金が存在する場合はその環境 への影響を考慮してその段階的廃止などを通じ、各国の状況に応じて、市場のひずみを除去することで、浪費的な消費を奨励する化石燃料に対する非効率な補助金を合理化する。