水辺の自由時間コレクションinウォーターズ竹芝
PLANET

「水辺の自由時間コレクションinウォーターズ竹芝」開催! プラごみでアート体験が可能な複合施設で海の環境問題を学ぼう!

「水辺の自由時間コレクションinウォーターズ竹芝」が10月21日~30日まで開催! ウォーターズ竹芝と『空とぶさかなプロジェクト』の皆さんに話を伺いました

竹芝地区の浜離宮恩賜庭園が⽬の前に位置する、⾃然豊かなウォーターフロントが特徴の複合施設「WATERS takeshiba」。10月21日(金)から10月30日(日)まで「水辺の自由時間コレクション」を開催します。10月24日(月)には開業から2周年を迎え、ウォーターズ竹芝の各施設、ショップが感謝の気持ちを込めて、新しい文化や体験ができる時間を多様なコンテンツでお出迎えします。「竹芝干潟」を通して東京湾の環境問題を親⼦で学べるワークショップや、ウォーターズ竹芝内で育てたホップを使ったビールの第2弾「AO」の販売、各施設が腕を振るうマルシェなど、水辺で心地よく、観て・学べて・遊べて・食べて・出会える場所をご用意します。



■タイトル
「水辺の自由時間コレクションinウォーターズ竹芝」
■実施日
2022年10月21日(金)~10月30日(日)の10日間
■場所
WATERS takeshiba(ウォーターズ竹芝)
東京都港区海岸1-10-30
■実施施設
WATERS takeshiba(プラザ、アトレ⽵芝、メズム東京、オートグラフ コレクション、JR東日本四季劇場[春][秋]、竹芝干潟他)
■内容
・ウォーターズ竹芝産ホップを使用したクラフトビールの販売
・東京湾の環境問題が学べる『空とぶさかなプロジェクト』
・1日限りのスペシャルオーケストラなど

今回SDGs fanは、そんな「WATERS takeshiba」について『空とぶさかなプロジェクト』の関川房代様、坂井美穂様、寺田浩之様、JR東日本/一般社団法人竹芝タウンデザイン事務局の高橋愛美様にお話しを訊くことができましたのでその模様をご覧ください。

<取材協力>
JR東日本/一般社団法人竹芝タウンデザイン事務局:高橋愛美
空とぶさかなプロジェクト:関川房代 坂井美穂 寺田浩之

記者 「WATERS takeshiba」の施設概要を教えてください。
高橋 「WATERS takeshiba」はJR東日本が開発、2020年の10月に全面開業した複合施設です。19年もの長きにわたり、竹芝の地で文化・芸術を培ってきた劇団四季の専用劇場が、「JR東日本四季劇場[春][秋]」として新たに生まれ変わり、ホテルや商業が加わり複合施設として開業いたしました。今回の開発では、全面に広がる水辺を活用し、船着場と干潟(ひがた)を整備しました。

記者 「水辺の自由時間コレクション」にてサステナブルな取り組みを取り入れようとした経緯を教えてください。
高橋 当初どのようなコンテンツをやろうかと考える中で、施設の魅力が伝わる企画を届けたい思いがありました。その1つとして干潟や水辺などをサステナブルと絡めて企画できないかと、『ココペリ+』の寺田さんと相談していたところ「『空とぶサカナプロジェクト』を立ち上げようと思う」というお話しを聞いてそこから実現に至りました。



記者 『空とぶさかなプロジェクト』さんや『海と日本プロジェクト』さんによると2050年には世界の海が魚よりもゴミの量が上回ると言われていますが、この大きな問題に対して解決策はありますか?
寺田 海の中で魚よりもゴミの量が上回るのが2050年と言われています。一部では2050年まで持たないというデータもあります。同時にマイクロプラスチックが年々増えていき、魚の体内に入り、さらに人体にも影響を与えはじめています。解決策はシンプルに海にゴミを捨てないことなのですが、今すでに海に出てしまったゴミについても、プラスチックごみは100年、200年とマイクロプラスチックの状態で海に留まり続けるので、これから回収していくということも大きな解決策の1つです。端的にまとめると多くの方にこの問題を知って頂き、この先海にゴミが出ないような仕組みを考える。同時に出てしまったゴミを効率良く回収する。その2点を並行してやっていかなければいけないと思っています。

記者 海ゴミは直接海に捨てられた物だけでなく、街の中で捨てられた物もあると聞きました。それを解決する方法はありますか?
寺田 実際に海ゴミの7割~8割は街ゴミから来ていると言われています。海に直接捨てる人はそんなにいません。埋め立て地から風で飛ばされたり、街中で発生したゴミが川を伝って海に流れついたりと。山→川→海や、里→川→海など、川を伝って海に出るのがほとんどです。空とぶサカナプロジェクト』では、街中のゴミをいかに減らしていくか、川にゴミが入ることも防いでいくのが課題となります。



記者 『空とぶサカナの涙アート』は一部が芝商業高校の⼲潟部の方が制作されたようですが、どういった経緯で協力することになったのでしょうか。
寺田 実は竹芝にある⼲潟は、地域の芝商業高校の⼲潟部の皆さんと一緒に、⼲潟を再生したり、⼲潟の魅力を一般の方に伝えたりという活動を行っています。そこに来てくれている⼲潟部の生徒さんたちが『空とぶサカナの涙』のワークショップを見て、「是非私達も作りたいです」と言って頂き、それが縁でその生徒さんたちを中心に今回協力して頂いたというのが経緯です。

記者 サステナブルワークショップでは実際にプラスチックごみを使ってアートを学べるそうですが、どのような方に参加して欲しいですか。
関川 お子様向けに拘っているわけではなく、大人でも立ち寄って作って楽しめるようにしています。プラごみには様々な種類があり、海洋プラごみを使った『空とぶサカナの涙チャーム』を作っています。あとは、ペットボトルのプラスチックですね。ペットボトルはキャップ以外にリング部分もプラスチックなので取って捨てなくてはいけないということを知っている人が少ないのです。これをテーマにしている作家さんに来て頂いてワークショップを行っています。



記者 『空とぶサカナの涙アート展示』で使われているコウロエンカワヒバリガイは外来種なのですか?
寺田 はい、外来種です。海の外来種は非常に厄介で、一度広がると手が付けられない状態になります。コウロエンカワヒバリガイという貝は東京湾中に生息していて、よく見ると港の岸壁に黒い貝がびっしりついているのですが、それが全部コウロエンカワヒバリガイという貝です。元々の日本の生態系の姿ではないのですが、もう元に戻すのも難しい状況ではあります。

記者 なぜコウロエンカワヒバリガイが東京湾に来たのでしょうか?
寺田 東京湾や大型の港は、多くのタンカーや大型の船が海を渡ってやってきます。日本まで来るためには船を安定させる必要がありますが、そのために船底に現地の海水を沢山入れて転覆しないように安定させるのです。それを“バラスト水”と言います。そのバラスト水を入港した際に一度海の水を捨てるわけです。その中に現地から持ってきたコウロエンカワヒバリガイの幼生、いわゆるプランクトンのような状態の物が沢山含まれており、それが東京湾で捨てられ繁殖したというわけです。もちろんコウロエンカワヒバリガイだけでなくほかの外来種も東京湾に持ち込まれています。

記者 なるほど。そういった外来種の問題についても『空とぶサカナの涙アート展示』を通して一般の方々にも知ってもらえるというわけですね。



記者 ポップアップマーケットには「海」や「SDGs」をテーマにしている作家様が大集合するようですが、普段から「海」や「SDGs」をテーマにしたアートを作られているのでしょうか。
関川 普段からテーマを持って活動しているアーティスト様にお声掛けさせて頂きました。アクセサリー作りなどのワークショップも開催しながら作品も作っている方をお招きしています。



記者 そのほかオーケストラ、『バケモノの子』キャストトークショー、ナイトクルーズまでありますが、友人同士や家族で立ち寄ってSDGsを知ってほしいという意図もあるのでしょうか。
高橋 複合施設の利点を生かした表現のひとつとして、干潟やサステナブルの取り組みに関して体験する機会を設けました。オーケストラに関しては広場というオープンエアーな場所で気持ち良く参加者同士の交流を深められます。それぞれが独立した企画ではありますが、WATERS takeshibaがいろいろな要素を体験できる施設だということをお客様に知って頂きたいと思います。

記者 『空とぶサカナプロジェクト』のロゴのイメージについて教えてください。
坂井 サカナが空に向かって飛んでいるロゴを描いたのですが、「サカナも嬉しくなって飛びたくなるような、そんな気持ちになるような活動にしたいね」という思いでデザインしました。ロゴのサカナはトビウオとは断定せず、捉える人によってそれぞれイメージして頂けると良いと思っています。

記者 今回のイベントにヤクルトマンが来るのですね。WATERS takeshibaと何か関係があるのでしょうか。
高橋 WATERS takeshibaで唯一のオフィステナントとして、株式会社ヤクルト本社様が入っているのですが、前回のイベントでヤクルトマンに出演をオファーしたところ、快く出て頂けました。想像以上の人気で「チラシを見てきました!」「一緒に踊りたい」という子ども達が多く反響が凄かったです。実は、つば九郎にも来て頂きたかったのですが、日本シリーズがありますからね。(2022年ヤクルトスワローズはリーグ優勝 ※取材時点では日本シリーズ前)

記者 たくさんの貴重なお話をありがとうございます。外来種のことなど非常に興味深い話も聞けて勉強になりました。



今回は、JR東日本/一般社団法人竹芝タウンデザイン事務局:高橋愛美様、『空とぶサカナプロジェクト』の関川房代様、坂井美穂様、そして空とぶサカナプロジェクトを主催している『ココペリプラス』代表の寺田浩之様にお話しを伺うことができました。

またWATERS takeshibaへのアクセスは、JR山手線の浜松町駅から徒歩6分となっています。駅から出ると水辺も見えなく本当にWATERS takeshibaがあるのかと疑わしくなりますが、少し竹芝方面に歩けば東京湾があり水辺が広がる景色が見えてきます。浅草やお台場を繋ぐ交通結節点水上バスや毎週金・土に運航するナイトクルーズもおすすめ。

21日から開催されるWATERS takeshiba「水辺の自由時間コレクション」に足を運んでみてはどうでしょうか。



竹芝干潟やその周辺に生息する外来種「コウロエンカワヒバリガイ」を利用して制作されたアート作品が展示されています。「コウロエンカワヒバリガイ」はインタビュー内でも触れられていますが、外来種で東京湾に多く繁殖している貝になります。一部を芝商業高校の干潟部の方が協力してくださったようです。

展示日時:10/13~10/30 11:00~22:00 ※アトレ⽵芝営業時間に準ずる
実施場所:アトレ竹芝タワー棟1F催事スペース

外来⽣物であるコウロエンヒバリガイやマイクロプラスチックを使用した「空とぶサカナの涙チャームワークショップ」や、ペットボトルのリング部分のプラスチック素材を使ったカラフルでポップなアート・ワークショップ、産業廃棄物リサイクル絵の具のディプルアートなど、大人も子どもも楽しみながら、竹芝干潟や東京湾の環境問題について学べるワークショップを開催します。

ワークショップ日時:10/22~23、10/29~30 ①11:00-12:00、②13:00-14:00、③14:15-15:15、④15:30-16:30
※定員6名(事前予約4名当日枠は、先着順2名)
参加費:800円~(事前予約制)
実施場所:プラザ(芝⽣広場)

申込みHP:https://soratobusakana.peatix.com/

「海」や「SDGs」をテーマに活動をしている作家が大集合! 海を抽象画で描いたレジンアートや、シーグラスを使⽤したアクセサリー、ペットボトルキャップやリングなどを使ったアクセサリーなどを販売するお店など、全部で3店舗が出店します。

開催日時:10/22~23、10/29~30 11:00~20:00(日曜日は19:00まで)
実施場所:タワー棟1F the 3rd Burger アトレ竹芝店前

東京湾も直面している、海洋ゴミ問題を考えるプロジェクト。2050年には世界の海で、サカナの量よりも漂うゴミの量のほうが多くなると言われています。そんな苦しい環境にサカナを閉じ込めないようにしたい。未来の⼦どもたちにもサカナと泳ぐ世界を残してあげたい・・・という気持ちを込め、ワークショップや展示を通して小さな行動から美しい世界を取り戻せるよう活動しています。

参考HP:https://www.soratobusakana.com/

施設名:ウォーターズ竹芝(WATERS takeshiba)
住所:東京都港区海岸1-10-30
アクセス:浜松町駅北⼝より徒歩6分・大門駅より徒歩7分・竹芝駅より徒歩3分
用途: ホテル、オフィス、商業、劇場、駐⾞場等
延床面積:タワー棟約62,300㎡、シアター棟約28,100㎡、パーキング約12,200㎡
階段・高さ:タワー棟地上26階/地下2階・約120m、シアター棟
       地上6階/地下1階・約45m、パーキング地上10階/地下1階・約35m
運営会社:(ホテル)日本ホテル株式会社、(オフィス)株式会社ジェイアール東日本ビルディング、(商業)株式会社アトレ、(劇場)四季株式会社

外務省 SDGsサイト「JAPAN SDGs Action Platform」における「持続可能な開発のための2030アジェンダ 仮訳(PDF)」によると、以下のように記載があります。

目標14 持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する
14.1 2025年までに、海洋ごみや富栄養化を含む、特に陸上活動による汚染など、あらゆる種類の海洋汚染を防止し、大幅に削減する。
14.2 2020年までに、海洋及び沿岸の生態系に関する重大な悪影響を回避するため、強靱性(レジリエンス)の強化などによる持続的な管理と保護を行い、健全で生産的な海洋を実現するため、海洋及び沿岸の生態系の回復のための取組を行う。
14.3 あらゆるレベルでの科学的協力の促進などを通じて、海洋酸性化の影響を最小限化し対処する。
14.4 水産資源を、実現可能な最短期間で少なくとも各資源の生物学的特性によって定められる最大持続生産量のレベルまで回復させるため、2020年までに、漁獲を効果的に規制し、過剰漁業や違法・無報告・無規制(IUU)漁業及び破壊的な漁業慣行を終了し、科学的な管理計画を実施する。
14.5 2020年までに、国内法及び国際法に則り、最大限入手可能な科学情報に基づいて、少なくとも沿岸域及び海域の10パーセントを保全する。
14.6 開発途上国及び後発開発途上国に対する適切かつ効果的な、特別かつ異なる待遇が、世界貿易機関(WTO)漁業補助金交渉の不可分の要素であるべきことを認識した上で、2020年までに、過剰漁獲能力や過剰漁獲につながる漁業補助金を禁止し、違法・無報告・無規制(IUU)漁業につながる補助金を撤廃し、同様の新たな補助金の導入を抑制する**。 **現在進行中の世界貿易機関(WTO)交渉およびWTOドーハ開発アジェンダ、ならびに香港閣僚宣言のマンデートを考慮。
14.7 2030年までに、漁業、水産養殖及び観光の持続可能な管理などを通じ、小島嶼開発途上国及び後発開発途上国の海洋資源の持続的な利用による経済的便益を増大させる。
14.a 海洋の健全性の改善と、開発途上国、特に小島嶼開発途上国および後発開発途上国の開発における海洋生物多様性の寄与向上のために、海洋技術の移転に関するユネスコ政府間海洋学委員会の基準・ガイドラインを勘案しつつ、科学的知識の増進、研究能力の向上、及び海洋技術の移転を行う。
14.b 小規模・沿岸零細漁業者に対し、海洋資源及び市場へのアクセスを提供する。
14.c 「我々の求める未来」のパラ158において想起されるとおり、海洋及び海洋資源の保全及び持続可能な利用のための法的枠組みを規定する海洋法に関する国際連合条約(UNCLOS)に反映されている国際法を実施することにより、海洋及び海洋資源の保全及び持続可能な利用を強化する。