日本財団「海と日本プロジェクト」スポGOMI甲子園2022・全国大会隅田川エリアで開催 優勝が決定!
日本財団「海と日本プロジェクト」によるスポGOMI甲子園2022全国大会が2022年12月27日に隅田川エリアにて行われました。SDGs fanは現地に行き取材してきましたのでその模様をご覧ください。
一般社団法人ソーシャルスポーツファウンデーションは、今年の高校生ごみ拾い日本一を競う『日本財団「海と日本プロジェクト」スポGOMI甲子園2022・全国大会』を2022年12月26日(月)に隅田川エリアで開催しました。
各道府県で行われたスポGOMI甲子園の地方大会を勝ち抜いた強豪35校のチームが集まりました。本日はこの35チームの中から全国大会を行い、優勝を決める日となります。
スポGOMI甲子園区域は隅田川エリア。開会式は、墨田区役所すみだリバーサイドホールで行われました。
選手が行進しながらチーム名のプラカードを持って入場。計35チームが入場し終わると、スポGOMI甲子園実行委員長 日本スポGOMI連盟代表理事 馬見塚健一さんが登壇し、「11月まで様々なドラマがありました。リベンジを狙うチーム、連覇を狙うチームなど様々です。ある方は『スポGOMI甲子園はごみ拾いの箱根駅伝のようだ』とも言いました。僕もまさにそう思います。最終決戦の日です。精一杯青春をぶつけてください」と励ましと開会の挨拶を行いました。
続いて日本財団海洋事業部 海洋環境チーム 吉野舞星さんが「海の(ごみ)問題が遠くのことのように感じてしまいますが、より身近に感じてもらうために様々なものと海を組み合わせた事業を行っています。本大会もその1つです」と海のごみ問題を知ってもらうためにスポGOMI甲子園として多くの人や若者に知ってもらう機会を設けたとのことです。
挨拶が一通り終わると、昨年度の優勝チームである国立愛媛大学付属高校が選手宣誓を行いました。
10時30分になり、スポGOMI甲子園が開催されました。ルールに記載されたエリアの範囲でごみ拾いを行うべく、チームが散り散りになります。制限時間は1時間。拾い集めたごみは、タバコの吸い殻、空き缶やペットボトルなどの資源ごみ、燃えるごみ、燃えないごみなどに分別して計量。集めた重さによってごみの種類ごとに定められたポイントが獲得でき、合計獲得ポイントで勝者が決まります。チームのメンバー同士は10メートル以内の距離を保たなければいけません。
全国大会ということもあり全国から報道陣が集結し地元メディアも来ていました。SDGs fanは福井県の「敦賀とてもすきすき」チームに密着。
街中ということで、タバコの吸い殻、空き缶、その他捨てられているごみを拾い自作の箱に入れながら分別をしていくチームたち。各々のチームがバラエティーに飛んだ小道具を持参してきており、稼働力のあるもの、分別しやすいもの、持ち運びやすいもの、可愛い物など個性も様々でした。
制限時間に戻れる範囲で行動し、ごみのありそうな場所を探していく選手たち。特に多かったのはタバコのポイ捨てで、植木の間や歩道の至るところに捨てられており、拾った数は最も多かったのではないでしょうか。
1時間のスポGOMI甲子園が終わり会場に戻ると今度は集計タイム。みんな集めたごみを持ち寄りチーム毎に重さを量り、ポイントを集計します。
ここで密着させてもらった「敦賀とてもすきすき」チームを代表して森野巧己さんに、スポGOMI甲子園を終えた感想を伺いました。
記者 今日、スポGOMI甲子園全国大会を終えて感想を教えてください。
森野 (地元の)敦賀は田舎で自然も多いですし綺麗なところだと思っていた。東京の方がごみは多いだろうと思っていたんですが、全然そんなことはなくて、逆に東京の方が綺麗でした。そこが凄いと思いました。
記者 街のごみの量はそれほど多くなかった印象ですが、隅田川エリアを掃除してみた印象はどうですか?
森野 街の人達が綺麗にしているのかなと。それと都会なのでごみ拾いの活動が行われているのかなと思うくらい、ごみが少なかったです。
記者 今日拾った中で意外なごみはありましたでしょうか。
森野 やっぱりタバコが凄く落ちていて、都会な分、吸う人が多いのかなと思いました。
このように意外と隅田川エリアは清掃されていて驚いたとのことです。
集計が終わると、全国大会で特に凄かったオリジナルアイテムを持つ3チームが紹介されました。選ばれたのはこの3チーム。
・愛媛県 BIG WEST ベーカリー
・宮崎県 宮農
・広島県 三銃⼠《サイエンス・オブ・エンパイア》
愛媛県「BIG WEST ベーカリー」チームは、ペットボトルを首からかかげ簡単にごみ袋を取り出せるという物。
宮崎県「宮農」チームは、竹で作ったトング。またトングの先にはライトが付いていて照らせるようになっていたり、物を取りやすいようにプラスチックで補強までされていました。ライトは自動販売機の下などを照らせるようにと思い、付けたそうです。
広島県「三銃⼠《サイエンス・オブ・エンパイア》」チームは、かなりの大作でクジラをモチーフにした物です。まずトングは三銃士が持っているレイピア風トングに鞘が特徴的で、鞘には脱臭剤が入っておりタバコの臭いなどを消してくれるそうです。大きな箱はごみを放り投げると下にごみが溜まっていくというものです。上の部分が回転し分別も可能となっています。内部は4つのごみ箱に分かれており、上のクジラの向いている方向で分別も変わって来るというユニークなアイテムでした。
ついに結果発表です。
オリジナルアイテム賞……宮崎県「宮農」チーム
先ほど紹介された竹で作ったトングのチームがオリジナルアイテム賞となりました。
そしてここからがついに上位3チームの発表となります。
3位……石川県「Ablaze大谷」12.18kg、2918.5pt
準優勝……愛媛県「BIG WEST ベーカリー」18.25kg、3979.5pt
優勝……埼玉県「川口工業高等学校 掃除部C」42.17kg、4420.0pt
堂々の優勝を果たした「川口工業高等学校 掃除部C」チームは、準優勝に倍以上の重量で差を付け圧倒的な優勝となりました。
優勝した埼玉県「川口工業高等学校 掃除部C」チームに優勝の勝因などを聞いてみました。
記者 優勝おめでとうございます。どういったところが勝因だと思いますか?
小川希乃 事前にルートを決めておくという作戦を立てたんですが、そのルートにちゃんとごみがあり作戦通りで勝てたと思います。
記者 地元エリアと今回の隅田川エリアとでごみの種類が違ったり、今回想定外の物が落ちていたりなど、発見はありましたか?
山本陸人 自分達の地域では缶とかペットボトルが多いのですが、今回は衣類や雑誌など燃えるごみ系がかなりありました。
記者 最後に、今回スポGOMI甲子園全国大会を終えて一言お願いします。
山本 去年は僕と稲葉くんが埼玉大会で成果を出せずに敗退だったんですけど、今年は新しくこの3人チームとなり埼玉大会で優勝し、また去年の優勝チームよりも多い重量で優勝できたので、雪辱を果たせました。
小川 私は一昨年から3回目の大会になるのですが、2人の実力には及ばず今回の全国大会に来ることができると思ってなかった。大会に出られて、更に優勝できたということはとても嬉しいです。
稲葉渉 部活の中でスポGOMI甲子園に向けての練習があり、一昨年優勝したOBの先輩たちと自分の地域のごみ拾いをしながら回っていました。先輩たちに助言されたことを守れたので良かったです。
こうして話を聞くと川口工業高等学校は一昨年も優勝しているのでスポGOMI甲子園強豪校と言えるでしょう。
今回の全国大会で集められたごみの総重量は265.67kgにもなり、わずか1時間で隅田川エリアからこれだけのごみが消えたことになります。
スポGOMI甲子園は来年も開催予定で、日本全国で予選が行われる予定です。今回優勝出来なかったチームも来年はよりごみを拾えるように作戦を練ってくることでしょう。そしてオリジナルアイテムも更に充実していきそうです。
日本財団「海と日本プロジェクト・CHANGE FOR THE BLUE」
外務省 SDGsサイト「JAPAN SDGs Action Platform」における「持続可能な開発のための2030アジェンダ 仮訳(PDF)」によると、以下のように記載があります。
目標14 持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する
14.1 2025年までに、海洋ごみや富栄養化を含む、特に陸上活動による汚染など、あらゆる種類の海洋汚染を防止し、大幅に削減する。 14.2 2020年までに、海洋及び沿岸の生態系に関する重大な悪影響を回避するため、強靱性(レジリエンス)の強化などによる持続的な管理と保護を行い、健全で生産的な海洋を実現するため、海洋及び沿岸の生態系の回復のための取組を行う。 14.3 あらゆるレベルでの科学的協力の促進などを通じて、海洋酸性化の影響を最小限化し対処する。 14.4 水産資源を、実現可能な最短期間で少なくとも各資源の生物学的特性によって定められる最大持続生産量のレベルまで回復させるため、2020年までに、漁獲を効果的に規制し、過剰漁業や違法・無報告・無規制(IUU)漁業及び破壊的な漁業慣行を終了し、科学的な管理計画を実施する。 14.5 2020年までに、国内法及び国際法に則り、最大限入手可能な科学情報に基づいて、少なくとも沿岸域及び海域の10パーセントを保全する。 14.6 開発途上国及び後発開発途上国に対する適切かつ効果的な、特別かつ異なる待遇が、世界貿易機関(WTO)漁業補助金交渉の不可分の要素であるべきことを認識した上で、2020年までに、過剰漁獲能力や過剰漁獲につながる漁業補助金を禁止し、違法・無報告・無規制(IUU)漁業につながる補助金を撤廃し、同様の新たな補助金の導入を抑制する**。 **現在進行中の世界貿易機関(WTO)交渉およびWTOドーハ開発アジェンダ、ならびに香港閣僚宣言のマンデートを考慮。 14.7 2030年までに、漁業、水産養殖及び観光の持続可能な管理などを通じ、小島嶼開発途上国及び後発開発途上国の海洋資源の持続的な利用による経済的便益を増大させる。 14.a 海洋の健全性の改善と、開発途上国、特に小島嶼開発途上国および後発開発途上国の開発における海洋生物多様性の寄与向上のために、海洋技術の移転に関するユネスコ政府間海洋学委員会の基準・ガイドラインを勘案しつつ、科学的知識の増進、研究能力の向上、及び海洋技術の移転を行う。 14.b 小規模・沿岸零細漁業者に対し、海洋資源及び市場へのアクセスを提供する。 14.c 「我々の求める未来」のパラ158において想起されるとおり、海洋及び海洋資源の保全及び持続可能な利用のための法的枠組みを規定する海洋法に関する国際連合条約(UNCLOS)に反映されている国際法を実施することにより、海洋及び海洋資源の保全及び持続可能な利用を強化する。