「NARA」から広げるSDGs Actions プレス発表会
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奈良発のSDGs商品を全国に広げたい! 製造副産物等をおいしく楽しく活用した自社開発商品を発表

奈良県商工会連合会主催の『「NARA」から広げるSDGs Actions プレス発表会』が奈良県コンベンションセンターにおいて行われ、奈良県内の9社が、SDGsを取り入れて開発した商品およびサービスを発表しました。

2023年12月14日(木)、奈良県商工会連合会主催の『「NARA」から広げるSDGs Actions プレス発表会』が奈良県コンベンションセンターにおいて行われ、奈良県内の9社が、SDGsを取り入れて開発した商品およびサービスを発表しました。
そのうち主に、規格外農作物や食品製造時の副産物、建材にならない木材などを活用して商品を開発した3社を紹介します。



【就労継続支援A型事業所 合同会社knot(ノット)】
URL: https://knot-knot.com/

『これすてさげをっ!』は、農福連携の一貫として、就労継続支援A型事業所にて栽培される生しいたけのうち、規格外のものを乾燥加工技術で商品化したエコ&ヘルス商品です。 同社ではかねてより椎茸粉末の料理用出汁を販売しておりましたが、このたび、さらに付加価値を高め、生活習慣病の予防効果の期待できる機能性表示食品の開発に挑みました。 『これすてさげをっ!』は、椎茸の豊富な栄養に加え、高めの血圧に対策できる大麦由来のGABAや、悪玉コレステロールを抑制するオリーブ由来のヒドロキシチロソールを配合。過熱しても効果は保たれます。動脈硬化の大きな原因となる高血圧とコレステロールという2つの悩みにアプローチできる粉末出汁は国内初です。チャーハン、パスタなど料理の種類を選ばずよくなじみ、旨みや風味を加える商品です。

■ SDGsポイント:収穫量の15%を占める規格外椎茸に付加価値をつけて有効活用

合同会社knotの農園では、年間約10,000個の菌床を扱い、約10tの生椎茸を収穫しています。ていねいに育てても、そのうち約15%は規格外に育ってしまいます。これを全国の年間生産量に置き換えて推測すると、約16,000t、約32億円の損失規模です。同社は、本製品の製造販売を拡大することで、この損失を防ぐことを目指しています。現状でも、仲間の農園から原料として規格外椎茸を仕入れています。今は小さな一歩でも、この動きが波及していくことを願っています。就労継続支援A型事業所の安定雇用にもつながる取り組みです。

【商品名】『これすてさげをっ!』(椎茸粉末出汁) 86.8g入 税込3,000円
【販売サイト】musubi舎オンラインショップ https://musubisha.base.shop/



吉野の森を楽しむ『Bigスウェーデントーチ』で新たな焚き火体験をお届け
【ゲストハウス KuraKura】

KuraKuraは奈良県吉野郡大淀町にある、カフェ、ゲストハウス、BBQサイト、キャンプサイトを運営するアウトドアに特化した複合施設です。吉野で林業に従事する父とその家族で運営しています。
林業に従事しているからこそ手に入る豊富な木材を活用し、焚き火やBBQ、燻製体験や薪割り体験、サウナテントとたくさんのアウトドアコンテンツを用意しています。

中でも1番人気は、焚き火とBBQです。そこで、吉野産木材をもっと多くの方に楽しんでもらえるよう『Bigスウェーデントーチ』のお届けを開始しました。

スウェーデントーチとは、垂直に立てた丸太にチェーンソーで切り込みを入れた、焚き火を楽しむためのアウトドアグッズです。ポンと置くだけなので設置が楽で、燃えカスや灰が散らばりにくく片付けも楽です。

今回販売するスウェーデントーチは、最小で高さ15~20cm、最大で120cmほど。天然のものなので規格はまちまちです。高さ30cmほどの大きさで、燃焼時間は2~3時間程度です。 大きなものは重量もあり搬送と設置が難しいので、そこを同店にて担当します。
「火」を体験する機会は希少になりつつあります。本品で、焚き火の楽しさや癒し、吉野産木材(杉や檜)の香りを楽しんでいただけると嬉しいです。


■SDGsポイント:障害木活用で森林を守ります

同店がスウェーデントーチに加工しているのは、災害などで倒れたり家にかかってきたりして危険な『障害材』と言われる木です。伐採した後はそのまま山林内で朽ちるのを待つか、チップなどにするのが通常の使用方法でした。切らなければいけない木だとしても大切に使いたいと考え、アウトドアグッズとしての活用を思いついたのです。

また同店は、2023年10月から「大淀SDGsチャレンジ」のメンバーとして県外イベントなどに出店しています。より多くの方が商品を知り、使ってもらうことで、森の木々が活用されます。それが健やかな森の保全につながると信じて活動しています。



【株式会社奈良祥樂】
URL: http://nara-shogaku.jp/

今回発表するのは、食品加工過程での副産物や、遊休農地で生産した黒米をおいしく活用した課題解決型商品です。
4種の味は、梅の実の酸味がさわやかな『梅酒の実のカトルカール』、八朔ピールのほのかな苦みがクセになる『八朔のカトルカール』、奈良のフルーツが贅沢に入る『柿とミックスフルーツのカトルカール』、聖徳太子の時代に食べたとされる古代米を使用した『黒米のカトルカール』です。

■ SDGsポイント:食品加工時の副産物、規格外果実、遊休農地の活用
同社はかねてより、製品づくりをするにあたり、多くの農家様、企業様と取引をしています。それぞれに抱える課題があり、それらをひとつずつ解決しているうちにカトルカールはシリーズになっていきました。

例えば、使用する梅は梅乃宿酒造が梅酒をつくったあとの実です。八朔の皮はジャムを作ったときの皮、柿の果肉は柿ワインの酒粕です。このような副産物は、利用しなければ食品廃棄物として、費用と手間をかけて処分されるものです。
「奈良の果実のカトルカール」は、これら規格外果物を使用し、規格外のおいしさを生み出したお菓子なのです。

■ これまでの取り組み事例 奈良祥樂の課題解決実績

奈良祥樂の一番の強みは、菓子業界に新たな風を吹かせる独自商品の開発力です。地域一体となって食・農・観光の発展に尽力していくことを願い、食品メーカー、原料・食材などの生産者、地方自治体、大学などと連携してきました。



SDGs目標12「つくる責任つかう責任」とありますが、そもそも具体的にはどういったことなのでしょうか?

国際連合広報センターサイト「JAPAN SDGs Action Platform」における「持続可能な開発のための2030アジェンダ 仮訳(PDF)」によると、以下のように記載があります。

目標12. 持続可能な生産消費形態を確保する
12.1 開発途上国の開発状況や能力を勘案しつつ、持続可能な消費と生産に関する10年計画枠組み(10YFP)を実施し、先進国主導の下、全ての国々が対策を講じる。
12.2 2030年までに天然資源の持続可能な管理及び効率的な利用を達成する。
12.3 2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食品ロスを減少させる。
12.4 2020年までに、合意された国際的な枠組みに従い、製品ライフサイクルを通じ、環境上適正な化学物質や全ての廃棄物の管理を実現し、人の健康や環境への悪影響を最小化するため、化学物質や廃棄物の大気、水、土壌への放出を大幅に削減する。
12.5 2030年までに、廃棄物の発生防止、削減、再生利用及び再利用により、廃棄物の発生を大幅に削減する。
12.6 特に大企業や多国籍企業などの企業に対し、持続可能な取り組みを導入し、持続可能性に関する情報を定期報告に盛り込むよう奨励する。
12.7 国内の政策や優先事項に従って持続可能な公共調達の慣行を促進する。
12.8 2030年までに、人々があらゆる場所において、持続可能な開発及び自然と調和したライフ スタイルに関する情報と意識を持つようにする。
12.a 開発途上国に対し、より持続可能な消費・生産形態の促進のための科学的・技術的能力の強化を支援する。
12.b 雇用創出、地方の文化振興・産品販促につながる持続可能な観光業に対して持続可能な開発がもたらす影響を測定する手法を開発・導入する。
12.c 開発途上国の特別なニーズや状況を十分考慮し、貧困層やコミュニティを保護する形で開発に関する悪影響を最小限に留めつつ、税制改正や、有害な補助金が存在する場合はその環境 への影響を考慮してその段階的廃止などを通じ、各国の状況に応じて、市場のひずみを除去することで、浪費的な消費を奨励する化石燃料に対する非効率な補助金を合理化する。