性教育スピーチコンテスト
PEOPLE

NPO法人アラジ-、3月8日「世界女性デー」に合わせ「性教育スピーチコンテスト」を新たに拡大することを発表

シエラレオネ共和国で教育支援を行うNPO法人アラジは、24年1月より中高生を対象に性教育スピーチコンテストのパイロット版を実施。同年5月より本格始動し、より性教育が当たり前になる文化形成を目指します。

貧困層(1日2.15ドル以下で生活する人の割合)が国民の4割*1 を超える、西アフリカのシエラレオネ共和国では、子ども達の十分な教育へのアクセス、基本的人権保護、ジェンダー平等など様々な社会問題を抱えています。

女の子たちが直面する困難
避妊具が手に入らないことや、性教育の不足、性暴力などにより、若年妊娠・出産の末に、10代の女の子が初等・中等教育の退学を余儀なくされるなど、今日でも女の子たちは大きな社会問題に直面しています。
シエラレオネにおいて、10代の死亡原因の第1位は「出産」です。母体のリスク以外での中絶が認められていないがために、安全でない中絶を選ばざるを得なくなり、自ら妊娠を終わらせるために、ガソリンや抗生剤を大量に飲んだりして、危険な中絶を試みた末に、最悪の場合死亡するケースも多くあります。
また、若年で妊娠することにより、骨盤が未発達であるがゆえに、20代以上の女性の出産と比べ、約2倍、死産率が高くなると言われています。
日本であれば学校で教育を受けている年代、15歳から19歳の女の子のうち、28.3%*2 が妊娠しています。さらに妊産婦死亡率は10万人あたり443人*3 と、多くの未来ある女の子たちが命を落としています。

*1 World Bank Group 『Poverty & Equity Brief Sierra Leone Africa Western & Central October 2020』
*2 Ahinkorah BO, Kang M, Perry L, Brooks F, Hayen A. Prevalence of first adolescent pregnancy and its associated factors in sub-saharan Africa: a multi-country analysis. PLoS ONE. 2021;16(2):e0246308.
*3 THE WORLD BANK, 2020



NPO法人アラジは、日本で唯一のシエラレオネ専門NGOとして、2021年より男子中学生向けの性教育プログラムを実施し、これまで事業地であるシエラレオネ第2の都市ケネマ県で、100校/約2万人の中高生に性教育を提供してきました。
しかし、2時間のセッションである性教育は一時的なものであるため、一過性のプログラムではなくより性教育を継続的・文化的なものにするため、新たに生徒がスピーチ力を競う、「性教育スピーチコンテスト」を実施するに至りました。

今回の「性教育スピーチコンテスト」は、性教育プログラムを実施した学校にて、選ばれた10名の生徒にスピーカーとして、性教育のスピーチをしてもらい、スピーカー及び視聴者の知識の定着を図るものです。
「性教育スピーチコンテスト」の様子は、地元のラジオ局やテレビ局での取材も入り、全国に放送されることで、啓発活動としての効果も期待できます。

優勝発表の瞬間では、優勝者にトロフィーが贈呈され、うれし泣きする様子なども見られました。コンテストにすることで、10代の若者にとって一生の思い出に残る機会となり、また、10代の女の子の教育を受ける権利を守ることにも繋がります。
「性教育スピーチコンテスト」は、2024年5月より同国のケネマ県10校の中学・高校にて実施予定です。
3月8日「世界女性デー」の節目に、この活動をより継続的なものにするため、毎月500円からのマンスリサポーターとしてのご支援も募集しています。

▽マンスリサポーターとしてのご支援はこちら
https://alazi.org/monthly/index.html



団体名:特定非営利活動法人Alazi Dream Project(NPO法人アラジ)
創設:2014年3月7日
代表理事:下里夢美
所在:〒162-0041 東京都新宿区早稲田鶴巻町565番地 ビルデンスナイキ302
電話番号:070-8908-8450
公式HP : https://alazi.org/



国際連合広報センターサイト「JAPAN SDGs Action Platform」における「持続可能な開発のための2030アジェンダ 仮訳(PDF)」によると、以下のように記載があります。

目標5. ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児のエンパワーメントを行う
5.1 あらゆる場所におけるすべての女性及び女児に対するあらゆる形態の差別を撤廃する。
5.2 人身売買や性的、その他の種類の搾取など、すべての女性及び女児に対する、公共・私的空間におけるあらゆる形態の暴力を排除する。
5.3 未成年者の結婚、早期結婚、強制結婚及び女性器切除など、あらゆる有害な慣行を撤廃する。
5.4 公共のサービス、インフラ及び社会保障政策の提供、ならびに各国の状況に応じた世帯・家族内における責任分担を通じて、無報酬の育児・介護や家事労働を認識・評価する。
5.5 政治、経済、公共分野でのあらゆるレベルの意思決定において、完全かつ効果的な女性の参画及び平等なリーダーシップの機会を確保する。
5.6 国際人口・開発会議(ICPD)の行動計画及び北京行動綱領、ならびにこれらの検証会議の成果文書に従い、性と生殖に関する健康及び権利への普遍的アクセスを確保する。
5.a 女性に対し、経済的資源に対する同等の権利、ならびに各国法に従い、オーナーシップ及び土地その他の財産、金融サービス、相続財産、天然資源に対するアクセスを与えるための改革に着手する。
5.b 女性のエンパワーメント促進のため、ICTをはじめとする実現技術の活用を強化する。
5.c ジェンダー平等の促進、ならびにすべての女性及び女子のあらゆるレベルでのエンパワーメントのための適正な政策及び拘束力のある法規を導入・強化する。