小学校昇降口が森になる!? 昇降口木質化プロジェクト「みんなの森の会議」が南足柄市ではじまる
神奈川県南足柄市は、市内の全市立小学校5校の昇降口で、南足柄市の木材を使用し木質化するリニューアルプロジェクトを2023年12月から開始しました。
神奈川県南足柄市は、市内の全市立小学校5校の昇降口で、南足柄市の木材を使用し木質化するリニューアルプロジェクトを2023年12月から開始しました。現在通学中の小学生達とのデザインワークショップをはじめ、木材製材見学、残材アートワークづくりなど、小学生にも参加してもらいながら、昇降口を一緒に作り上げていきます。(通称「みんなの森の会議」)
市域の約70%が森の南足柄市。その森にはスギやヒノキ(人口林)が多くあります。市産材を利用した公共建築物(小学校)の木造化、木質化を推進することにより、市民が木に親しみ、安らぎとぬくもりのある健康的で快適な公共空間を提供するとともに、循環型社会の構築や地球温暖化の防止、林業・木材産業の振興、森林整備などに資するため、市内小学校5校の木質化を計画しました。そして基本設計及び実施設計を行う事業者からの提案を受けるべく2023年10月に公募型プロポーザルを行いました。
昇降口は単なる昇降スペースに留まらず、子どもたちと地域とのつながりの場であってほしい。児童減少でスペースにもゆとりが生まれたこの空間には、ただの箱ではない、地域とつながる、生きたコンテンツが盛りこまれるべき。しかし、設計者がそのデザイン、コンテンツを自由に決められるものではなく、子どもたち、保護者、先生、地域の人々が参加し考え、生み出すことで真に活用される場に成り得る。そのため、子どもたちとのデザインワークショプを開催し、空間のデザイン、活用方法、運用について共に語り合い決めていく。子どもたちをはじめ、地域のアイデンティティを獲得すること、それがデザインの中核。
デザイン アイディアイメージ
子どもたちと共にデザインワークショップをしながら、たくさんのアイディアが生まれています。今後、様々なワークショップを通じて、子どもたちと共にアイディアを実現し、拡張していきます。森のように循環、進化するプロジェクトです。
在学中の小学生や保護者、南足柄市民とともに、空間デザイン製作・施工・運用などの過程を一緒に体験し、南足柄の森の「今」を知る。
どうすれば南足柄の森林資産を有効に活用できるか、どうすれば有意義な場所が生まれるか。このプロジェクトを通じて、一緒に考えていきます。
木材の持つポテンシャルとは、自分たちのアイデンティティとは何か、みんなで考える「みんなの森の会議」を経て、デザインはスタートし、未来へ繋がります。
「みんなの森の会議」実施風景
現状全5校のうち、向⽥小学校、福沢小学校、南⾜柄小学校の3校で実施しました。また、市民と子供を交え、小学校外でも行っています。
在学中の小学生へ昇降口に塗りたい色をアンケートしています。
・1/25(木)
向田小学校 デザインワークショップ 昇降⼝の新しい使い⽅をグループワークで考える。(在校生限定)
・2/29(木)
福沢小学校 デザインワークショップ 昇降⼝の新しい使い⽅をグループワークで考える。(在校生限定)
・3/6(木)
南足柄小学校 デザインワークショップ 昇降⼝の新しい使い⽅をグループワークで考える。(在校生限定)
・3/6(木)
カラーアンケート集計 昇降⼝を彩るカラーを24⾊から各自選定、デザインに反映。(在校生限定)
・4/2(火)
森ツアー + 製材所⾒学(春休み篇) どうやって丸太が木材になるのか?実際に森と製材所の見学
・8月中旬
森ツアー + 製材所⾒学(夏休み篇) どうやって丸太が木材になるのか?実際に森と製材所の見学
・8月下旬
木タイルづくり、残材アートワーク、角丸ワークショップ(⽊材の⾓を丸くする)
昇降口を作る過程に参加。(在校生限定)
・9月上旬
昇降口完成ツアー、完成した昇降⼝の見学会
・2026年3月
ハコミーメンテナンスワークショップ
昇降口に設置された木材をメンテナンス(在校生限定)
国際連合広報センターサイト「JAPAN SDGs Action Platform」における「持続可能な開発のための2030アジェンダ 仮訳(PDF)」によると、以下のように記載があります。
目標 15. 陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する
15.1 2020年までに、国際協定の下での義務に則って、森林、湿地、山地及び乾燥地をはじめとする陸域生態系と内陸淡水生態系及びそれらのサービスの保全、回復及び持続可能な利用を確保する。 15.2 2020年までに、あらゆる種類の森林の持続可能な経営の実施を促進し、森林減少を阻止し、劣化した森林を回復し、世界全体で新規植林及び再植林を大幅に増加させる。 15.3 2030年までに、砂漠化に対処し、砂漠化、干ばつ及び洪水の影響を受けた土地などの劣化した土地と土壌を回復し、土地劣化に荷担しない世界の達成に尽力する。 15.4 2030年までに持続可能な開発に不可欠な便益をもたらす山地生態系の能力を強化するため、生物多様性を含む山地生態系の保全を確実に行う。 15.5 自然生息地の劣化を抑制し、生物多様性の損失を阻止し、2020年までに絶滅危惧種を保護し、また絶滅防止するための緊急かつ意味のある対策を講じる。 15.6 国際合意に基づき、遺伝資源の利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分を推進するとともに、遺伝資源への適切なアクセスを推進する。 15.7 保護の対象となっている動植物種の密猟及び違法取引を撲滅するための緊急対策を講じるとともに、違法な野生生物製品の需要と供給の両面に対処する。 15.8 2020年までに、外来種の侵入を防止するとともに、これらの種による陸域・海洋生態系への影響を大幅に減少させるための対策を導入し、さらに優先種の駆除または根絶を行う。 15.9 2020年までに、生態系と生物多様性の価値を、国や地方の計画策定、開発プロセス及び貧困削減のための戦略及び会計に組み込む。 15.a 生物多様性と生態系の保全と持続的な利用のために、あらゆる資金源からの資金の動員及び大幅な増額を行う。 15.b 保全や再植林を含む持続可能な森林経営を推進するため、あらゆるレベルのあらゆる供給源から、持続可能な森林経営のための資金の調達と開発途上国への十分なインセンティブ付与のための相当量の資源を動員する。 15.c 持続的な生計機会を追求するために地域コミュニティの能力向上を図る等、保護種の密猟及び違法な取引に対処するための努力に対する世界的な支援を強化する。