循環型社会の実現に貢献する低炭素潤滑油基油の製造プロセス構築について
ENEOS株式会社は、使用済み潤滑油を活用した潤滑油基油再生技術の社会実装に向けた実証事業において、低炭素基油の製造に成功しました。
同社(社長:山口 敦治)は、使用済み潤滑油を活用した潤滑油基油再生技術の社会実装に向けた実証事業において、低炭素基油※1 の製造に成功しました。技術検討においては、トヨタ自動車株式会社の協力のもと市場から集めた、使用済みエンジンオイルを原料として使用しています。
低炭素基油を配合したガソリンエンジンオイルは、高温酸化防止性の国際指標であるSequence IIIH試験※2 において、従来の原油由来の基油を配合したガソリンエンジンオイルと同等の高温酸化安定性を有することが確認されました。
本技術検討は、令和4年度の環境省公募事業「脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業」※3 に採択された「廃潤滑油を活用した潤滑油基油への再生プロセス構築」の検証テーマであり、既存の国内石油精製技術の活用のほか、海外企業との技術提携の可能性も含めて取り組んでいます。
同社は、グループの長期ビジョンにおいて「エネルギー・素材の安定供給」と「カーボンニュートラル社会の実現」との両立への挑戦を掲げ、「脱炭素・循環型社会への貢献」を目指しています。その一環として潤滑油事業では、製品ライフサイクル上におけるCO2排出量を抑えた商品を開発しています。
※1 CO2排出量が抑えられた基油
※2 国際潤滑油標準化認証委員会(ILSAC)が定めるガソリンエンジンオイル規格 GF-6で規定された高温酸化防止性試験方法。高温走行をシミュレートした運転パターンに供試した後のエンジンオイルの粘度増加等から高温酸化安定性を評価するもの。
※3 令和4年度~令和5年度の事業。
2022年8月5日公開「廃潤滑油を活用した潤滑油ベースオイルへの再生プロセス構築について」
※4 第三者認証機関にて実施。
国際連合広報センターサイト「JAPAN SDGs Action Platform」における「持続可能な開発のための2030アジェンダ 仮訳(PDF)」によると、以下のように記載があります。
目標 7. すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する
7.1 2030 年までに、安価かつ信頼できる現代的エネルギーサービスへの普遍的アクセスを確保する。 7.2 2030 年までに、世界のエネルギーミックスにおける再生可能エネルギーの割合を大幅に拡大させる。 7.3 2030 年までに、世界全体のエネルギー効率の改善率を倍増させる。 7.a 2030 年までに、再生可能エネルギー、エネルギー効率及び先進的かつ環境負荷の低い化石燃料技術などのクリーンエネルギーの研究及び技術へのアクセスを促進するための国際協力を強化し、エネルギー関連インフラとクリーンエネルギー技術への投資を促進する。 7.b 2030 年までに、各々の支援プログラムに沿って開発途上国、特に後発開発途上国及び小島嶼開発途上国、内陸開発途上国のすべての人々に現代的で持続可能なエネルギーサービスを供給できるよう、インフラ拡大と技術向上を行う。