自然・文化遺産の保存・活用を行う地域を支援する新事業 地域遺産支援プログラム【トラスト・エール】 9月1日より支援対象地域の公募を開始
公益財団法人日本ナショナルトラストは、自然・文化遺産の保存・活用を行う地域を支援する新事業「地域遺産支援プログラム【トラスト・エール】」の支援対象地域の公募を開始します。
日本のすぐれた文化財や自然の風景地などを保全し、利活用を通じて次の世代につなげる、公益財団法人日本ナショナルトラスト(所在地:東京都千代田区、会長:安富 正文)は、自然・文化遺産の保存・活用を行う地域を支援する新事業「地域遺産支援プログラム【トラスト・エール】」の支援対象地域の公募を9月1日(日)より開始します。
また、公募期間中の9月29日(日)・30日(月)には東京都、10月6日(日)・7日(月)には京都府で事業説明会も開催します。
地域遺産支援プログラム【トラスト・エール】
URL: http://www.national-trust.or.jp/prg-chiikiisanshien/
事業説明会(個別相談会有り、9月29日・10月6日には会場となる歴史的建造物の見学会・座談会も開催)
URL: http://www.national-trust.or.jp/news/index.php?c=event_view&pk=1718153398&type=
同財団は、過去50年間にわたり、文化遺産などを直接所有・管理し、地域遺産の保全に関わる知識と経験、実績を築いてきました。2018年には設立50周年を迎え、日本の風土や文化に根差した新たな「日本型ナショナルトラスト」を目指すことにしました。
そのための取組みとして、地域の特性や課題に応じた地域遺産を守るための持続的な「仕組み」※1 を地域につくることで、日本各地の地域遺産を将来に継承することを目指す「地域遺産支援プログラム【トラスト・エール】」を開始しました。なお、本事業の愛称である「トラスト・エール」は、放送作家の小山 薫堂氏(同財団顧問)が命名しました。
※1 「仕組み」とは、本事業においては、地域遺産を将来に継承するために必要な体制や資金なども含めた、自立・持続的な地域遺産保全の方法のことをいいます。
本プログラムでは、同財団がコーディネーターとなり、支援対象地域にあった専門家(個人又はチーム)を派遣して、企画支援や情報・ノウハウの提供などを行うソフト支援※2 を実施します。同財団が伴走しながら関係機関や専門家と協力し、活動団体が提案するプロジェクトに取組みます。
※2 助成事業ではありません。
<公募内容>
1.申請できる活動(次の ア)~ウ) の全てを満たすこと)
ア)JNTが定義する地域遺産※3 を対象とした活動であること。
イ)地域遺産を継承する活動や地域遺産の価値を高めようとする活動であること。
ウ)公益性があり、広く国民が利益を享受しうる活動であること。
※3 本事業において「地域遺産」とは、文化財等の指定や有形・無形を問わず、次世代に継承すべき、地域にとって重要な次の資源とします。(以下(1)~(3)のいずれかに該当するもの)
(1)地域の歴史・文化を物語るもの
(2)地域の貴重な自然美や風土
(3)上の(1)(2)に関連し、地域のシンボルとなるもの
2.申請できる組織等
(1)営利を目的としない民間の活動団体等
(2)自治体 ※「たねまき」(A型)が対象
3.採択数
・「たねまき」(A型)~活動のための基盤づくり~
・「ひろがり」(B型)~地域遺産保全の仕組みづくり~ あわせて4件程度
4.事業期間
最長3カ年度(希望する年数を申請書に記載)
5.公募期間
2024年9月1日(日)~11月10日(日)
▼詳細はこちらから
http://www.national-trust.or.jp/prg-chiikiisanshien/
今後のスケジュールは以下の通りです。本プログラムを通じて、全国各地で地域遺産を守る仕組みが作られ、持続的な取組みが展開されていくことをねらいとしています。
<2024年>
9月29日(日)・30日(月) 事業説明会・個別相談会 (会場:旧安田楠雄邸庭園(東京都文京区))
10月6日(日)・7日(月) 事業説明会・個別相談会 (会場:駒井家住宅(京都府京都市))
11月10日(日) 申込締切
<2025年>
1月 支援事業委員会(本選考会)
3月 採択結果通知
5月頃 採択地域で事業開始
日本のすぐれた文化財や自然の風景地などを保全し、利活用しながら次の世代につないでいくことを目的として、1968年12月25日に設立された団体です。英国の環境保護団体である「ザ・ナショナルトラスト(The National Trust)」をモデルにしています。これまでに300件以上の地域遺産の調査を実施したほか、取得などにより地域遺産を保護し公開・活用を行っています。2023年には、「地域遺産支援プログラム」を含む「支援事業」について、内閣府より新たな公益目的事業として認定を受けました。
外務省 SDGsサイト「JAPAN SDGs Action Platform」における「持続可能な開発のための2030アジェンダ 仮訳(PDF)」によると、以下のように記載があります。
11. 包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する
11.1 | 2030 年までに、すべての人々の、適切、安全かつ安価な住宅及び基本的サービスへのアクセスを確保し、スラムを改善する。 |
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11.2 | 2030 年までに、脆弱な立場にある人々、女性、子ども、障害者及び高齢者のニーズに特に配慮し、公共交通機関の拡大などを通じた交通の安全性改善により、すべての人々に、安全かつ安価で容易に利用できる、持続可能な輸送システムへのアクセスを提供する。 |
11.3 | 2030 年までに、包摂的かつ持続可能な都市化を促進し、すべての国々の参加型、包摂的かつ持続可能な人間居住計画・管理の能力を強化する。 |
11.4 | 世界の文化遺産及び自然遺産の保護・保全の努力を強化する。 |
11.5 | 2030 年までに、貧困層及び脆弱な立場にある人々の保護に焦点をあてながら、水関連災害などの災害による死者や被災者数を大幅に削減し、世界の国内総生産比で直接的経済損失を大幅に減らす。 |
11.6 | 2030 年までに、大気の質及び一般並びにその他の廃棄物の管理に特別な注意を払うことによるものを含め、都市の一人当たりの環境上の悪影響を軽減する。 |
11.7 | 2030 年までに、女性、子ども、高齢者及び障害者を含め、人々に安全で包摂的かつ利用が容易な緑地や公共スペースへの普遍的アクセスを提供する。 |
11.a | 各国・地域規模の開発計画の強化を通じて、経済、社会、環境面における都市部、都市周辺部及び農村部間の良好なつながりを支援する。 |
11.b | 2020 年までに、包含、資源効率、気候変動の緩和と適応、災害に対する強靱さ(レジリエンス)を目指す総合的政策及び計画を導入・実施した都市及び人間居住地の件数を大幅に増加させ、仙台防災枠組 2015-2030 に沿って、あらゆるレベルでの総合的な災害リスク管理の策定と実施を行う。 |
11.c | 財政的及び技術的な支援などを通じて、後発開発途上国における現地の資材を用いた、持続可能かつ強靱(レジリエント)な建造物の整備を支援する。 |