クオリードと台湾のマリア財団が国際連携
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[障がい福祉]クオリードと台湾のマリア財団が国際連携

株式会社クオリードは、2024年10月1日、台湾のマリア社会福祉財団とのパートナーシップを発表しました。

京都府、滋賀県を中心に就労継続支援サービスを8事業所展開する株式会社クオリード(本社:滋賀県大津市、代表取締役:高橋功)は、2024年10月1日、台湾のマリア社会福祉財団とのパートナーシップを発表しました。この協力関係により、台湾の就労支援事業所を支援し、同国における障がい福祉の課題解決に貢献します。また、両国の職員や利用者が国際的な視野を広げ、異文化理解と共感を深めることで、インクルーシブな社会づくりにも寄与します。



・日本における障がい福祉事業の運用課題として、①多様化する支援ニーズへの対応②受託作業単価や報酬の低さ③人材の確保の難しさ、などが挙げられます。

・台湾においても、日本のA型/B型事業所に近い業態が存在していますが、その多くは最低賃金を保証されているA型事業所に近い「庇護工場」と呼ばれる業態です。ここでは、日本のA型/B型の利用者に相当する方が「共同訓練」している形態となっています。

・日本で直面している上記の課題①②③は台湾においても同様に存在しており、共同作業という要素を踏まえると、課題はさらに複雑化しています。

・同社ではこれまで、グループ会社及び国内外メーカと協力し、これらの課題に対して一定の成果を出してきました。

・今後、台湾の障がい福祉事業所に対して、作業依頼および生産ノウハウを提供することで、問題の緩和・解消に貢献できると考えています。



1. 障がいの特性や志向性、生産能力を考慮できるよう、同で事前生産を実施します。そのうえで作業時に発生する問題点の把握と解決方法をクリアにし、生産工程を細分化できる状態で発注を行います。

2. 台湾事業所に対して加工依頼を行い、フェアトレードになるよう市場価格に基づいた加工単価を設定します。クラウド技術を活用し、現地職員、利用者さんへの作業指導を遠隔で行うことで、ノウハウの共有・即時解決を行います。また生産国境を超えた職員間の交流や情報交換を促進します。

3. 台湾事業所の利用者人数に伴った作業量を発注することで、安定受注を図ります。またクオリードでも同商品の加工を同時に行うことで、台湾事業所で生産計画にズレが生じた場合もカバーします。



1. 委託前の段階で作業内容の調整を行い、生産工程を細分化する(≒作業バリエーションの増加)ことで、多様なニーズに適応することが可能となり多くの利用者が活躍できる場面を創造できます。

2. 市場価格に基づいた単価設定による作業単価の向上はもとより、ノウハウを共有、課題の即時解決することによって生産効率は上がり、利用者さんの報酬のベースアップが期待できます。仕事を通した職員間での交流は、間接的な効果として、福祉職員への作業指導への負担を軽減も期待できます。

3. 安定受注を確保することで、福祉職員では苦手とすることも多い営業活動が不要となります。利用者さんへの直接支援の時間に充てることで、支援の質が上がり、職員・利用者さんのモチベーション向上による安定運用が見込まれます。納期遅れに対するフォローも職員の仕事となっていることが多いですが、同社でも同商品を国内で同時に作業を行い、不足数が発生した場合はカバーをすることで、安心して業務に取り組むことが可能となります。

・マリア財団 陳怡君執行長
「マリア財団は、設立以来36年にわたり「最も小さく、最も弱く、最も難しい」知的障害者へのケアに取り組んできました。クオリードの高橋功社長が、持続可能な経営という視点において、障害者支援の必要性を見据え、社会的投資を拡大し、社会サービスの構築に尽力されている姿勢に感銘を受けました。今回のパートナーシップによって、より一層、障害者の自立と生活の質が向上されることを期待しています。」

・台中市政府社会局障害者科 粟惇瑋科長
「この国際協力モデルは広く普及させる価値があります。台湾には121万人の障害者がいます。これらの人々は、私たちの親、子供、兄弟姉妹、友人かもしれません。彼らも社会の一員としてより多くの支援が必要です。今回のマリア財団とロジ・ウエイズ*、クオリードの協力で、台中市の障害者に新たな雇用機会が増えることを嬉しく思います。台中市政府も引き続き政策面で支援し、国際協力の推進を期待しています。」
*ロジ・ウエイズはクオリードのグループ会社です



マリア社会福祉財団は、台湾の障がい者を支援する非営利団体です。1998年にマリア文教基金会として設立され、2003年に現在の名称に改名しました。創立者の荘宏達氏が、障がいを持つ子どもとその家族を支えるために設立し、現在では介護、医療、リハビリテーション、教育、就労支援など、障がい者の成長を各段階でサポートする幅広い事業を展開しています。「愛」の精神を基に、障がい者が尊厳を持って生きる社会の実現を目指しています。

URL: https://www.maria.org.tw/



株式会社クオリードは、京都府・滋賀県を中心に「就労継続支援A型ワクアWAQUA(ワクア)」および「就労継続支援B型事業所QUO(クオ)」を展開し、利用者の多様性に対応した作業メニューの提供、地域トップクラスの工賃実績、職員負担を軽減した持続可能な運営が特徴です。リアルな就労体験(訓練)を通じて、本当の意味での「就労」となる事業所を追求しています。

URL: https://www.quolead.com/



国際連合広報センターサイト「JAPAN SDGs Action Platform」における「持続可能な開発のための2030アジェンダ 仮訳(PDF)」によると、以下のように記載があります。

目標 3. あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する

3.1 2030 年までに、世界の妊産婦の死亡率を出生 10 万人当たり 70 人未満に削減する。
3.2 すべての国が新生児死亡率を少なくとも出生1,000件中12件以下まで減らし、5歳以下死亡率を少なくとも出生1,000件中25件以下まで減らすことを目指し、2030年までに、新生児及び5歳未満児の予防可能な死亡を根絶する。
3.3 2030 年までに、エイズ、結核、マラリア及び顧みられない熱帯病といった伝染病を根絶するとともに肝炎、水系感染症及びその他の感染症に対処する。
3.4 2030年までに、非感染性疾患による若年死亡率を、予防や治療を通じて3分の1減少させ、精神保健及び福祉を促進する。
3.5 薬物乱用やアルコールの有害な摂取を含む、物質乱用の防止・治療を強化する。
3.6 2020 年までに、世界の道路交通事故による死傷者を半減させる。
3.7 2030年までに、家族計画、情報・教育及び性と生殖に関する健康の国家戦略・計画への組み入れを含む、性と生殖に関する保健サービスをすべての人々が利用できるようにする。
3.8 すべての人々に対する財政リスクからの保護、質の高い基礎的な保健サービスへのアクセス及び安全で効果的かつ質が高く安価な必須医薬品とワクチンへのアクセスを含む、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)を達成する。
3.9 2030年までに、有害化学物質、ならびに大気、水質及び土壌の汚染による死亡及び疾病の件数を大幅に減少させる。
3.a すべての国々において、たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約の実施を適宜強化する。
3.b 主に開発途上国に影響を及ぼす感染性及び非感染性疾患のワクチン及び医薬品の研究開発を支援する。また、知的所有権の貿易関連の側面に関する協定(TRIPS 協定)及び公衆の健康に関するドーハ宣言に従い、安価な必須医薬品及びワクチンへのアクセスを提供する。同宣言は公衆衛生保護及び、特にすべての人々への医薬品のアクセス提供にかかわる「知的所有権の貿易関連の側面に関する協定(TRIPS 協定)」の柔軟性に関する規定を最大限に行使する開発途上国の権利を確約したものである。
3.c 開発途上国、特に後発開発途上国及び小島嶼開発途上国において保健財政及び保健人材の採用、能力開発・訓練及び定着を大幅に拡大させる。
3.d すべての国々、特に開発途上国の国家・世界規模な健康危険因子の早期警告、危険因子緩和及び危険因子管理のための能力を強化する。