「Green ICU」の活動
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適正分別で感染性廃棄物を減らし、再生可能資源をアップサイクル 持続可能な集中治療を目指す「Green ICU Project」

聖マリアンナ医科大学病院は、世界で加速する「Green ICU」の活動を始動し、感染性廃棄物の総量が減少しました。

聖マリアンナ医科大学病院(神奈川県川崎市、病院長:大坪毅人)は、世界で加速する「Green ICU(持続可能な集中治療)」の活動を始動し、EICU(救急集中治療室)とEHCU(救急高度治療室)にて、感染性廃棄物の適正分別を実施しました。その結果、廃棄物内のリサイクル可能なプラスチックの混入が28%→2%へ低下し、感染性廃棄物の総量が減少しました。



「Green ICU」とは、患者さんに優れた医療を提供しながら、CO2排出量や廃棄物を削減し、環境負荷を最小限に抑えた集中治療を目指す活動の総称です。欧州集中治療医学会(ESICM)が「Green Paper」として指針を発表するなど、気候変動対策が急務とされる中で、世界中の医療機関が取り組み始めているグローバルなトレンドです。
集中治療室(ICU)は、病院内で最も資源を消費する部門と言われており、エネルギー消費量も大きく、大量の廃棄物や使い捨ての消耗品が日々排出されています*1。そのため、「リユース品の利用促進」、「徹底したリサイクル体制の構築」、「廃棄物処理量の削減」が、重要な活動の一つと位置づけられています*2。

*1 Hunfeld N, Diehl JC, Timmermann M, van Exter P, Bouwens J, Browne-Wilkinson S, de Planque N, Gommers D(2023) Circular material flow in the intensive care unit-environmental effects and identification of hotspots. IntensiveCare Med 49:65–74
*2 De Waele JJ, Hunfeld N, Baid H, et al. Environmental sustainability in intensive care: the path forward. An ESICM Green Paper. Intensive Care Med. 2024;50(11):1729-1739. doi:10.1007/s00134-024-07662-7.



同院の「Green ICU Project」(PJメンバー、救急医学:津久田純平、内藤貴基、麻酔科:伊東祐美)では、2025年7月中旬より院内での啓発活動と、以下のアクションを実施しました。活動の前後で廃棄物量調査を行い、活動成果の指標としました。
1)点滴やシリンジに残った液体は排水処理し、ボトル・シリンジ類はプラスチックとして廃棄する 。 ※隔離が必要な感染症患者が使用したものは除く。
2) CVキープ(心臓近くの太い静脈に入れる点滴の管)を100ml規格から250ml規格の使用を推奨、不必要 な廃棄物を減らす。
3) 調剤に使用したシリンジはプラスチックゴミに廃棄し、針・アンプル類のみ感染性廃棄物として処理
また、本プロジェクトの開始後、看護師による自主的な啓発活動が実施され、ゴミ箱付近への分別ガイドの掲示や、不適切な廃棄が見られた際のスタッフ間のアナウンスが実施されました。



1)EICU/EHCUの感染性廃棄物内のプラスチックの混入が28%→2%に低下: プロジェクト開始後、医療廃棄物に誤分類されるリサイクル可能なプラスチックが減少し (28%→2%)、非感染性廃棄物も積極的に分類されるようになりました(32%→2%)。

2)EICU/EHCUの感染性廃棄物総量の減少を達成:
8月以降、感染性廃棄物の総量が減少しました。処理費用も前年比で毎月−30%を達成、7月〜12月で総額170万円の削減となりました。

同院の「Green ICU Project」は次なるステップとして、「これまで捨てられていたリサイクル可能な医療用プラスチック」をアップサイクルし、新たな価値を生み出す活動に挑戦しています。
シリンジや医薬品パッケージなどの医療用プラスチックを洗浄・粉砕し、再製品化可能なプラスチックボードへと加工いたしました。パッケージの色彩の豊かさや模様を活かして作られており、その配合によって二つとして同じ表情がない、デザイン性に優れた素材に変化しました。
今後はこのボードを加工し、「患者さんと医療従事者をつなぐ、オリジナルグッズ」の開発を進めていきます。



国際連合広報センターサイト「JAPAN SDGs Action Platform」における「持続可能な開発のための2030アジェンダ 仮訳(PDF)」によると、以下のように記載があります。

目標12. 持続可能な生産消費形態を確保する
4.1 2030 年までに、すべての女児及び男児が、適切かつ効果的な学習成果をもたらす、無償かつ公正で質の高い初等教育及び中等教育を修了できるようにする。
4.2 2030 年までに、すべての女児及び男児が、質の高い乳幼児の発達支援、ケア及び就学前教育にアクセスすることにより、初等教育を受ける準備が整うようにする。
4.3 2030 年までに、すべての女性及び男性が、手頃な価格で質の高い技術教育、職業教育及び大学を含む高等教育への平等なアクセスを得られるようにする。
4.4 2030 年までに、技術的・職業的スキルなど、雇用、働きがいのある人間らしい仕事 及び起業に必要な技能を備えた若者と成人の割合を大幅に増加させる。
4.5 2030 年までに、教育におけるジェンダー格差を無くし、障害者、先住民及び脆弱な立場にある子どもなど、脆弱層があらゆるレベルの教育や職業訓練に平等にアクセスできるようにする。
4.6 2030 年までに、すべての若者及び大多数(男女ともに)の成人が、読み書き能力及び基本的計算能力を身に付けられるようにする。
4.7 2030 年までに、持続可能な開発のための教育及び持続可能なライフスタイル、人権、男女の平等、平和及び非暴力的文化の推進、グローバル・シチズンシップ、文化多様性と文化の持続可能な開発への貢献の理解の教育を通して、全ての学習者が、持続可能な開発を促進するために必要な知識及び技能を習得できるようにする。
4.a 子ども、障害及びジェンダーに配慮した教育施設を構築・改良し、すべての人々に安全で非暴力的、包摂的、効果的な学習環境を提供できるようにする。
4.b 2020 年までに、開発途上国、特に後発開発途上国及び小島嶼開発途上国、ならびにアフリカ諸国を対象とした、職業訓練、情報通信技術(ICT)、技術・工学・科学プログラムなど、先進国及びその他の開発途上国における高等教育の奨学金の件数を全世界で大幅に増加させる。
4.c 2030 年までに、開発途上国、特に後発開発途上国及び小島嶼開発途上国における教員養成のための国際協力などを通じて、資格を持つ教員の数を大幅に増加させる。