子ども食堂が「起業家教育」の最前線へ!【完売御礼】小さな手で1,000個を売り切った!江戸川区の子どもたちが挑んだ「本物のビジネス」7,000字のプレゼン台本に刻まれた、失敗と成長の全貌
NPO法人らいおんはーとが運営する「365日24時間緊急対応型子ども食堂 ぬくぬく」では、従来の食事提供という「食支援」の枠を超え「早期起業家教育」に注力してきました。
東京都江戸川区を拠点に、誰でも安心して立ち寄れる居場所を提供しているNPO法人らいおんはーと(理事長:及川 信之)。当法人が運営する「365日24時間緊急対応型子ども食堂 ぬくぬく」では、従来の食事提供という「食支援」の枠を超え、株式会社SHARE EAT(代表取締役:福田怜奈)からの協力を得て、子どもたちが社会で生き抜く力を養う「早期起業家教育」に注力してきました。
その集大成として、2026年4月26日「子ども食堂 ぬくぬく」にて、子どもたち自身が企画・開発・販売・広報を担ったオリジナルカヌレ「カヌくぬくレ」の成果発表イベント「キッズぬくもりCafe」を企画、NBCジュニア委員会のメンバー経営者を招待しました。
本イベントでは、18名の現役経営者を前に、小中高生12名が自ら執筆した合計7,000文字に及ぶプレゼン台本を手に、ビジネスの厳しさと喜びを堂々と発表後、在庫110個をその場で完売。
その姿は、福祉の対象としての「子ども」ではなく、未来を創る「パートナー」そのものでした。
本プロジェクトは、単なる職業体験ではありません。
市場調査、商品企画、試作、原価計算、工場選定、販売戦略、広報活動までを、子どもたち自身が主体的に実践した“リアルな起業家教育”です。
■市場調査とペルソナ設定:渋谷の街に赴き、データを集める
始まりは「どんなお菓子が人気なのか?」という純粋な疑問でした。子どもたちは渋谷の百貨店に行き、数時間に及ぶ通行人調査を実施。「日曜日は30代〜40代の女性や老夫婦が多い」「外国人はお土産に和菓子を選ぶが、日本人は焼き菓子に惹かれる」といった生データを収集。それらを元に、ターゲットを「20代〜40代の女性」に絞り込み、持ち帰りやすくアレンジが自在な「カヌレ」を商品に決定しました。
■「カヌレ派 vs ゼリー派」涙の対立と合意形成
商品決定の過程では、意見が真っ向から対立しました。「若者に人気のゼリーがいい」という声と、「高級感とアレンジ力のあるカヌレがいい」という声。中学2年生から小学4年生までが対等に議論を交わし、時には涙を流しながらも「自分たちが伝えたい価値(ぬくもり)を最も表現できるのは何か」を問い直し、最終的に全員が納得する形でカヌレに決定しました。
■合計7回に及ぶ試作を経てカヌレを開発。
当初は生焼けや色の失敗に直面しましたが、競合分析を行い「ココナッツファイン」の採用で独自性を確立しました。工場生産移行時も妥協せず、配合をデータ化し精密に計測。3パターンの比較試食から「プラス15%」の甘さを導き出しました。
■「工場選定」と「原価計算」:1円の重みを知る過酷なプロセス
製造においては、自分たちの理想を形にしてくれるパートナーを子どもたち自身が探しました。「最小ロット数は?」「納期は?」「費用は?」という3つの条件を掲げ、数ある候補の中から大阪の工場を選定。1円単位の原価計算に苦戦し、「自分たちの取り分(利益)」と「お客様が買いやすい価格」の狭間で、何度も電卓を叩き直しました。
■テレアポと広報:震える手でメディアへ電話
広報担当の子どもたちは、プレスリリースの作成だけでなく、新聞社やテレビ局への「直接のテレアポ」に挑戦しました。「断られたらどうしよう」という不安を抱えながらも、「私たちの活動を知ってほしあい」という一心で受話器を握り、「リリースを送ってもいいですか?」という交渉を自力で行いました。
■【販売の戦略】「SusHi Tech Tokyo」と「マルイ」で体得した、場所に応じたマーケティング
SusHi Tech Tokyo(東京ビックサイト)とマルイ新宿店での計5日間、現場に合わせた柔軟な販売を実践。イベント会場では活気ある呼び込みを行い、百貨店ではマナーを徹底しつつ華やかな装飾で「選ばれる空間」を演出しました。単に売るのではなく、開発秘話や実感を伴う言葉で「物語」を伝える広報的視点を重視。接客のたびに振り返る高速のPDCAを回した結果、全日完売を達成し、自分たちの想いが社会に届く手応えを掴み取りました。
発表会の1ヶ月前から企画、台本制作を進め、前日はリハーサル、4月26日イベント当日、会場の「ぬくぬく」は、子どもたちが模造紙や手書きの値札、POP、折り紙で作った輪っか、花で飾り付けた「ワクワクする経営の場」へと変貌しました。さらに、子どもたち自身がイベントの進行を担当。経営者との名刺交換、プレゼンテーション、試食会、即売会までを主体的に運営しました。
NBC会員経営者へのプレゼンでは、8つのパートに分かれた子どもたちが、それぞれの専門分野を「自分の言葉」で自作した台本で、語り尽くしました。
・マーケティング(中2・女子): 「大人の手を借りず、子どもたちだけで作り上げた市場分析です。渋谷での調査から、お菓子は『サイズ感』が購入の決め手になることを学びました。」
・商品決定(中2・女子/小4・女子): 「ゼリー派とカヌレ派で激しく対立しました。でも、『持ち運びやすさ』という戦略的視点で合意したんです。」
・試作(中2・女子/小6・女子): 「パティシエさんと焼いても焼きムラができ、子どもだけだと生焼けに。失敗を繰り返し、甘さを15%アップさせる黄金比に辿り着きました。」
・工場選定(中2・女子): 「カヌレは作れないと断られ続けましたが、諦めずに探し抜き、自分たちの想いに応えてくれる大阪の工場を選定しました。」
・広報(高2・女子): 「ロゴのライオンは『熊ではなく子どもライオン』です。親しみやすさを出すためにパステルカラーに拘りました。商品名『カヌくぬくレ』には、居場所を知ってほしいという願いを込めています。」
・経理(中1・男子/高2・男子): 「利益率20%の設定と原価計算に何度も計算ミスをしました。儲かることと安さの両立。この壁を仲間と乗り越えました。」
・販売(小6・女子/中2・女子): 「マルイでの販売では『大声を出してはいけない』という制約がありました。そこで、声ではなく『見せ方』や『ストーリーを語る』接客に切り替え、完売させました。」
・締め・取材依頼(小4・女子): 「私が一番頑張ったのはプレスリリース作りとテレアポです。私たちの活動を取材してもらえると嬉しいです!」
参加した子どもたちの自己評価
イベント後、NBCが集計したデータには、子どもたちの著しい成長が示されていました。
・「他人から見た自分と自分から見た自分の違い」への気づき: 「自分では緊張して上手く喋れなかったと思っていたが、経営者の方から『熱意が伝わった』『プロのようだ』と評価され、自分の強みを再発見できた」という声が8割を超えました。
・「挑戦する力」への加点: 「最初はテレアポや工場選定に恐怖があったが、やり遂げたことで『新しいことへの恐怖』が消えた」と全員が回答。
・「チーム力(協調性)」: 「対立があったからこそ、最高のカヌレができた」と、意見の相違を肯定的に捉える力が育まれました。
多くの子どもたちが「新しい挑戦への恐怖がなくなった」と回答。対立や失敗を通じて、チームで課題を乗り越える力や、自分の強みに気づく機会になったことが確認されました。
NBC参加の経営者からも称賛の声と評価点数
子どもたちの主体的な活動に対し、経営者18名から高い評価が寄せられました。プレゼン・販売実践を含む総合評価は平均4.6点(5点満点)を記録。
主な称賛の声:
・実行力と自信:リサーチから工場選定、テレアポまで、大人の甘えを排除しビジネスの作法に則って実行した点が高く評価されました。「この年齢でこの経験をしたことは大きな自信になる」との声が上がっています。
・マーケティング・企画力:実地調査に基づく緻密な分析と、ストーリーを重視した販売戦略が経営者の心を掴みました。「ストーリーを見せることで購買意欲が湧いた」と絶賛されています。
・チームワークと成長:PDCAを回し改善を繰り返す姿勢が評価され、「皆さんのパッションと挑戦する姿勢が伝わった」と、子どもたちのポテンシャルに期待が寄せられました。
詳細は、外務省のホームページにあるSDGs関連サイト【JAPAN SDGs Action Platform】に掲載の「持続可能な開発のための2030アジェンダ 仮訳(PDF)」にあります。
目標8:包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する
この目標では、産業の拡大だけではなく、労働者の権利についても言及されています。
目標8のターゲットは下記の表をご覧ください。
8.1 各国の状況に応じて、一人当たり経済成長率を持続させる。特に後発開発途上国は少なくとも年率7%の成長率を保つ。 8.2 高付加価値セクターや労働集約型セクターに重点を置くことなどにより、多様化、技術向上及びイノベーションを通じた高いレベルの経済生産性を達成する。 8.3 生産活動や適切な雇用創出、起業、創造性及びイノベーションを支援する開発重視型の政策を促進するとともに、金融サービスへのアクセス改善などを通じて中小零細企業の設立や成長を奨励する。 8.4 2030年までに、世界の消費と生産における資源効率を漸進的に改善させ、先進国主導 20 の下、持続可能な消費と生産に関する 10 カ年計画枠組みに従い、経済成長と環境悪化の分断を図る。 8.5 2030年までに、若者や障害者を含むすべての男性及び女性の、完全かつ生産的な雇用及び働きがいのある人間らしい仕事、ならびに同一労働同一賃金を達成する。 8.6 2020年までに、就労、就学及び職業訓練のいずれも行っていない若者の割合を大幅に減らす。 8.7 強制労働を根絶し、現代の奴隷制、人身売買を終らせるための緊急かつ効果的な措置の実施、最悪な形態の児童労働の禁止及び撲滅を確保する。2025年までに児童兵士の募集と使用を含むあらゆる形態の児童労働を撲滅する。 8.8 移住労働者、特に女性の移住労働者や不安定な雇用状態にある労働者など、すべての労働者の権利を保護し、安全・安心な労働環境を促進する。 8.9 2030年までに、雇用創出、地方の文化振興・産品販促につながる持続可能な観光業を促進するための政策を立案し実施する。 8.10 国内の金融機関の能力を強化し、すべての人々の銀行取引、保険及び金融サービスへのアクセスを促進・拡大する。 8.a 後発開発途上国への貿易関連技術支援のための拡大統合フレームワーク(EIF)などを通じた支援を含む、開発途上国、特に後発開発途上国に対する貿易のための援助を拡大する。 8.b 2020年までに、若年雇用のための世界的戦略及び国際労働機関(ILO)の仕事に関する世界協定の実施を展開・運用化する。