飢餓をゼロに!技術の進歩と私たちができること
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飢餓をゼロに!技術の進歩と私たちができること

食べ物が有り余っていると言われている日本ですが、世界では飢餓に苦しむ方が大勢います。SDGsの2番目の目標は「飢餓をゼロに」です。

執筆者:佐藤 加奈

食べ物が有り余っていると言われている日本ですが、世界では飢餓に苦しむ方が大勢います。
SDGsの2番目の目標は「飢餓をゼロに」です。

では、近年AIやロボティクスなどの様々な技術の進歩がめざましい現状で、それらの技術を活用しながらSDGs達成にどのように貢献していけるのか?
私達が普段生活していく中で取り組むことができることはあるのでしょうか?

本記事を通して一緒に考えていければと思います。

SDGsの目標2「飢餓をゼロに」は、「飢餓に終止符を打ち、食料の安全確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する」というものです。
国連の持続可能な開発目標(SDGs)報告2019では、以下の通り報告されています。

 ・2017年の時点で栄養不良に陥っていた人々は8億2,100万人
  ※2015年の7億8,400万人から増加
 ・発育不良の5歳未満児の割合 22% (1億4,900万人)
 ・消耗性疾患を抱えた5歳未満児の割合 7.3% (4,900万人)
 ・肥満症の5歳未満児の割合 5.9% (4,000万人)
 〔引用:国連広報センター 持続可能な開発目標(SDGs)報告2019〕

世界の中でも栄養不良に陥っている地域として特に多いのはアフリカと南アジアです。
また、肥満症の問題を抱えている地域も多くあり、栄養不良が主な原因と考えられています。

一方、日本ではどうでしょうか?

日本では飢餓の印象はあまりないですね。

ご存知かもしれませんが、日本は食料自給率が低く、食料を輸入に頼っている国です。
当然ながら、海外から輸入しているということは輸出している国があります。

上述したとおり、日本の食料自給率は低い傾向にあります。
と、いうことは「飢餓をゼロに」を達成するためのヒントはここにあるのかもしれません。

農林水産省では、2022年までにスマート農業技術を開発し、農業の現場で着実に導入できる環境が整うよう取り組みを進めています。
スマート農業技術とは農業の技術に先端技術を取り入れたものです。例えばどんなものがあるか、ご紹介します。


①ロボットトラクター / オートトラクター(ヤンマーホールディングス株式会社)

ヤンマーホールディングス株式会社では、作業の負担を減らすため、無人運転のロボットトラクターと有人の操作が必要最小限で行うことができるオートトラクターを展開しています。
これにより、農業の人手不足の解消と作業負担の軽減に貢献することができます。

②農業用アシストスーツの開発(和歌山大学、株式会社イノフィス、株式会社クボタなど)

農作物の収穫、運搬など、農作業には力仕事が多いですね。
その課題を解決するために開発されているのが「農業用アシストスーツ」です。着脱が簡単で作業にかかる負担を軽減することができるようになります。
腰の負担を軽減したり、収穫物の持ち上げ作業の負担を軽減したりするなど、女性や高齢の農業従事者の軽労化に貢献します。

◀農林水産省 農作業の負担軽減に効果あり!「農業用アシストスーツ」の“今”

③AIを活用した画像診断(農研機構)

AIを活用することにより、病害虫の発生状況や画像診断を行う事ができます。
これにより、農業に不慣れな方でも適切な判断を行うことができるようになるうえに、病害虫の発生状況を共有することで被害の最小化を実現することが可能になります。

それでは、世界各国の科学技術の開発はどうでしょうか?

デンマークの企業、クリスチャン・ハンセンは酵素や微生物、天然着色料を生産しているバイオサイエンス企業で、生産物は飲食品やサプリメント、飼料などに使用されています。

微生物を用いているので、クリーンな環境を維持しながらも生産性が高く、ケニアに対して、現地の経済成長に貢献することを目的とした取り組みを行っています。
これにより、農産物の収穫量を増やし、飢餓を減少させることを狙っています。

では、SDGsの2番目の目標「飢餓をゼロに」に対して私たちができることは何でしょうか?

実は日本では「食品ロス」が問題となっています。
「食品ロス」とは、消費者庁によると「まだ食べられるのに廃棄される食品」と定義されています。

食べ残しや賞味期限、消費期限によって捨ててしまうということが「食品ロス」に繋がります。
私たちが行う「食品ロス」を減らす取り組みが、回り回って世界の飢餓を減らすことにつながると考えられます。

例えば、

 ・消費期限・賞味期限の違いを知る
 ・消費期限・賞味期限の期限内に食べるようにする
 ・買い物をするときに、食べ切れる必要な分だけ買う
 ・災害時の非常食は買い替えの時期を把握し、期限内に食べ切るようにする

最近は賞味期限や消費期限を管理してくれるアプリも多くあるようです。
うまく活用しながら「食品ロス」に向けた取り組みを行うのも良いかもしれません。

このように、SDGsの課題を解決するための取り組みとして、様々な技術が活用され始めています。
様々な技術の革新によって私たちの仕事は奪われていく、というのはよく聞く話ですが、私たちの仕事を手助けしてくれる良き相棒となる可能性もありそうです。

また、飢餓という問題は日本には関係ないと思ってしまいがちですが、実は世界全体で考えると日本も他人事ではないのです。
「誰一人取り残さない」これがSDGsの基本理念。

そのためには企業や国の力だけではなく、私たち個人の力も必要です。まず、私たちができることから始めてみませんか。

・国際連合広報センター 持続可能な開発目標(SDGs)報告
・Unicef 世界の飢餓人口、8億2,000万人以上3年連続の増加に国連5機関が警鐘
 栄養不良は南アジアとサハラ以南アフリカに集中 肥満も依然増加傾向
・ヤンマーホールディングス株式会社 自動運転 ロボット/オートトラクター
・農林水産省 スマート農業の推進に向けた取り組みについて
・農研機構(研究成果)画像の特徴を可視化出来る新しいAIを開発
・外務省 持続可能な開発目標(SDGs)達成に向けて日本が果たす役割