SDGs目標2「飢餓をゼロに」~大和ハウス工業株式会社が日本最大級のサーモンの陸上養殖施設着工~
SDGs目標2「飢餓をゼロに」(Goal 2: Zero Hunger)達成に向け、大和ハウス工業株式会社が、地方自治体と連携し、プロキシマーシーフード社のアトランティックサーモンの閉鎖型陸上養殖施設を着工したニュースについてご紹介いたします。
閉鎖循環型陸上養殖は、海水を引く必要がなく、場所を選ばず建設できる利点があります。また、餌や排せつ物による環境への負荷も抑えることができ、持続可能な食環境づくりを推進することができます。
外務省 SDGsサイト「JAPAN SDGs Action Platform」における「持続可能な開発のための2030アジェンダ 仮訳(PDF)」によると、以下のように記載があります。
目標 2. 飢餓に終止符を打ち、食糧の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する
2.1 2030年までに、飢餓を撲滅し、すべての人々、特に貧困層および幼児を含む脆弱な立場にある人々が一年中安全かつ栄養のある食糧を十分得られるようにする。 2.2 5歳未満の子どもの発育障害や衰弱について国際的に合意されたターゲットを2025年までに達成するなど、2030年までにあらゆる形態の栄養失調を撲滅し、若年女子、妊婦・授乳婦、および高齢者の栄養ニーズへの対処を行う。 2.3 2030年までに、土地その他の生産資源、投入財、知識、金融サービス、市場、および付加価値や非農業雇用の機会への平等なアクセスの確保などを通じて、女性、先住民族、小規模な家族経営の農家、牧畜家および漁師をはじめとする、小規模食糧生産者の農業生産性および所得を倍増させる。 2.4 2030年までに、持続可能な食糧生産システムを確保し、生産性および生産の向上につながるレジリエントな農業を実践することにより、生態系の保全、気候変動や極端な気象現象、干ばつ、洪水その他の災害への適応能力向上、および土地と土壌の質の漸進的改良を促す。 2.5 2020年までに、国内、地域、および国際レベルで適正に管理および多様化された種子・植物バンクなどを通じて、種子、栽培植物、飼育動物・家畜、およびその近縁野生種の遺伝的多様性を維持し、国際的合意に基づく遺伝資源および伝統的な関連知識の活用による便益へのアクセスおよび公正かつ公平な共有を推進する。 2.a 国際協力の強化などを通じて、農村インフラ、農業研究・普及サービス、技術開発、および植物・家畜遺伝子バンクへの投資を拡大し、開発途上国、特に後発開発途上国における農業生産の強化を図る。 2.b ドーハ開発ラウンドの決議に従い、あらゆる形態の農産物輸出補助金および同一の効果を伴うすべての輸出措置の並行的廃止など、世界の農産物市場における貿易制限や歪みを是正および防止する。 2.c 農産物商品市場およびデリバティブ市場の適正な機能を確保するための措置を講じ、食糧備蓄などの市場情報への適時のアクセスを容易にすることにより、食糧価格の極端な変動に歯止めをかける。
この記事では、大和ハウス工業株式会社が、地方自治体と連携し、プロキシマーシーフード社のアトランティックサーモンの閉鎖型陸上養殖施設を着工したニュースについてご紹介いたします。
なお同施設は 日本最大級のサーモンの陸上養殖施設です。
【地方自治体と連携した食支援プログラムや医療従事者向けサポートなど、幅広い食支援活動を展開】
●ポイント
1.官民連携した工業団地造成事業による新産業の創出
2.関東圏・中部圏を網羅する交通アクセスに優れた好立地
3.プロキシマーシーフード社のサーモンの陸上養殖をサポート
【開発背景】
一般的な陸上養殖は海水をかけ流しにする施設が多く、コストは低く抑えられますが、海水を引くため、沿岸から離れた場所に施設を設けることが難しいという課題があります。
一方、閉鎖循環型陸上養殖は、海水を引く必要がなく、場所を選ばず建設できる利点があります。また、屋外から魚を隔離することで、外部環境の影響を受けにくいことに加え、水温や水質が管理しやすいため、魚に最適な環境を維持できるだけでなく、餌や排せつ物による環境への負荷も抑えることができます。
そこで、同社は2018年1月よりプロキシマーシーフード社と小山町の3者で日本最大級の閉鎖型陸上養殖事業を実現すべく検討を開始。日本では、一般的にアトランティックサーモンは輸入に頼っていますが、
同施設の建設地である「D-Project Industry 富士小山I」は、同社が静岡県駿東郡小山町の「フロンティア推進区域」の公募型プロポーザル方式に応募した結果、2015年10月に事業支援協力者に選ばれ、2017年3月より造成工事に着手、2019年9月に造成が完了した工業団地です。
土地取得は小山町が行い、同社はその土地を購入し、区画の構築や造成を行うことに加え、企業誘致も官民連携して行う工業団地造成事業を実施。その結果、プロキシマーシーフード社などの企業に進出いただいたそうです。
また、「D-Project Industry 富士小山I」と同スキームで「D-Project Industry 富士小山II」の造成にも2020年3月に着手。今後も引き続き小山町と連携し、新たな産業の誘致を積極的に行う予定とのことです。
「D-Project Industry 富士小山I」は、東名高速道路「足柄スマートインターチェンジ」より約10km、また2023年度開通予定の新東名高速道路「(仮称)小山スマートインターチェンジ」一般的な陸上養殖は海水をかけ流しにする施設が多く、コストは低く抑えられますが、海水を引くため、沿岸から離れた場所に施設を設けることが難しいという課題があります。
一方、閉鎖循環型陸上養殖は、海水を引く必要がなく、場所を選ばず建設できる利点があります。また、屋外から魚を隔離することで、外部環境の影響を受けにくいことに加え、水温や水質が管理しやすいため、魚に最適な環境を維持できるだけでなく、餌や排せつ物による環境への負荷も抑えることができます。
そこで、同社は2018年1月よりプロキシマーシーフード社と小山町の3者で日本最大級の閉鎖型陸上養殖事業を実現すべく検討を開始。日本では、一般的にアトランティックサーモンは輸入に頼っていますが、
設備面では、当施設内の気流解析を実施し、空調ダクトの吹き出し位置を調整することで、効率良く室内環境が保てるよう設計。
また、室内の陽圧管理(※1)をすることで、埃や害虫の侵入を防ぐ工夫を施すことに加え、養殖用の水槽温度と室内の空気温度を近づけることで、水温の変化が生じにくいよう配慮されています。
※1. 建屋内の気圧を外部より高く保つことで埃などが簡単に入り込みにくくする。
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